2021/02/28
圧倒的な説得力。氷点下も生き抜く野菜の生命力をさらに活かすために考えていること。【 畑の魅力伝道師 やなぎさわ まどか 】
※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。
皆さん、こんにちは。ハタケトで編集を担当しています、やなぎさわまどかです。だんだん春に向かっているものの、まだ三寒四温の時期でもある今日この頃。毎年この時期は、野菜たちから「たくましさ」や「強さ」を教えられる気がしていて、今日はそこから考えた今年の栽培計画に関するお話です。
氷点下10度のアイスワールドを受けて
私が住んでいる神奈川県の中間山地では、今年1月末に雪が積もりました。それまで、例年に比べたらそこそこ過ごしやすい冬だと思っていたのに、気温は急降下して一気に氷点下。家庭菜園の畑には、にんにく、玉ねぎ、大根、ソラマメといった越冬組が植わっていたため、かわいそうに、みんな雪の下になりました。おそらくマイナス10度にはなったと思います。
後日雪は溶けても、霜が降りる日はまだ続くため、朝の度にまた薄っすらと氷の世界になります。こんなに寒い中でじっと耐える野菜のいのちを想像すると、なんとたくましいことか、と考えずにはいられません。
もしもわたしたち人間が一晩中からだひとつで雪の中に身動きせずにいようものなら生命の危険に近づいてしまいますが、野菜はこの中でも、じわじわと成長を続け生き抜いている。毎年その生きる姿には感動を覚えます。
さすがに雪が積もった今年は一部、根っこまで寒さの影響を受けたのか茶色くなってしまった(おそらく枯れたかも)状態の野菜もあるのですが、それでも、例えばソラマメは脇芽を増やしていたり、にんにくも玉ねぎも大根も全滅はしていません。
中には暖かい日に菜花を咲かせてる芽もあって、あぁ、なんて健気な姿。必死に生き切ろうとしている野菜たちを見ては「果たして自分はこれほど一生懸命に生きれているだろうか」と自問するのがパターンです。もちろん野菜の栽培と人間社会が別であることは理解しているものの、素直に尊敬の念を覚えるのでした。
今年の目標、Regrow(リグロウ)名人
ところで、野菜の「リグロウ栽培」をご存知でしょうか。再生栽培、と言われたりもします。もしかしたらハタケトをご覧になっている方の中にも、人参や大根の首元を水に浸して葉っぱを伸ばしたり、ネギの根元5センチくらいをプランターに挿して、ネギをもう一度成長させたことがある方もいるかもしれませんが、野菜がもつ生命力によって、収穫後もなお成長が続くことを活かすものです。
小松菜やチンゲンサイなども、料理に使う時はあえて根元を残しておき、元株として土に植えると中心部から葉がまた成長し始めますね。
個人的にはこうした生命力を、無理がなく、決して不自然ではない形でもう少し活かしたいとずっと考えていて、今後は自分の家庭菜園でもリグロウをもっと思い切り上手に活かせる人になりたいと思っています。
今のところその具体的な目標は「玉ねぎ」と「豆苗」と「ポップコーン」の3つ。
たとえば玉ねぎなら、キッチンで芽出しして、これを苗として畑に植えてみること。
豆苗なら、このまま成長させて、グリーンカーテンにし、さらに絹さやの収穫まですること。
そしてポップコーンは、大好きなオーガニックメーカーの乾燥豆をタネにして、畑でポップコーン品種を栽培すること。
と想像は果てしなく、実際のところ何がどれくらいうまくいくのかは自分でも分かりませんが、うまくいったらご報告しますね。こんな感じで2021年もそろそろ、わたしの壮大な遊び場である家庭菜園がはじまります。
ライター/やなぎさわまどか