「愛の循環をshokuから耕す」をスローガンに3つの「shoku」(食・職・色)を応援しているaiyueyo。aiyueyoでは、個々がすでに持つ想いや強み・個性を活かしたお商売の形を「ナリワイ」と呼び、自分らしいナリワイを生み出すことを応援しています。

そして、第一期となるナリワイ助産院を4月から2カ月にわたって開催。17組の参加者が、想いや強み・個性など自分軸で向き合う事業創造プログラムに参加しました。今回は、ナリワイ助産院に参加した、管理栄養士・料理研究家・農家の妻である井澤 綾華さんに卒業後の声をお聞きしました。

「フッ軽な私を取り戻したかった」

私は、2015年から管理栄養士の資格を持ち、料理研究家やフリーランス管理栄養士として活動してきました。大学1年生のときに初めて農家に会い、「食糧生産を担う一次産業者の尊さ」に心を打たれ以後農家フェチに。2019年には、農家の4代目と結婚。夫の農園のブランディングや地域の農業者のためにマルシェなどのイベントの開催や運営、商談や商品開発、六次産業化にも関わってきました。

自身も農家になったことで「農家×管理栄養士・料理研究家」として、食と農を一番近くで応援できるようになり、だからこそ農業の可能性や課題を肌で感じる場面が多くありました。しかし、家族が増えたこと(現在8人家族)で物理的に動ける範囲が狭まり、ストレスを感じることが増えました。

さらに、「今のまま自身のやりたいことや課題に向かって手を広げていくことは正しいのか」と考えるように……。また、身近にマルチに働く同年代の仲間を見つけることができず、モチベーションの維持や人に頼ること弱音を吐くことができないしんどさもありました。

そんなタイミングで「ナリワイ助産院」の第一期が発足するという情報をTwitterで目にし、「仲間探しと自己ブランディングが一緒にできるなら参加するしかない!何か変えるためには行動しなくては」と思い参加を即決しました。

遠く離れていても励まし合える仲間が見つかった!

ナリワイ助産院のメンバーで、北海道からの参加者は私だけでした。他のメンターも受講者も全国各地バラバラな場所から参加していました。それぞれが、自分のナリワイに抱くモヤモヤや業界・社会への問題点を抱きながら、それらを形にしたいという思いで助産院を受講していました。みんな、モチベーションや意識が高く、今では助産院を通して全国に様々な分野でアンテナの高い知人ができました。オンラインだからこそできた繋がりだと感じています。

助産院で講座を受けてみて驚いたのが、どの講師もメンターも受講生も、共感力が高く魅力もたっぷりで「もっとあなた自身を知りたい!」という気持ちにさせてくれる方ばかりだったことです。

少人数のグループになってワークをする場面も多々あったのですが、正直最初はグループワークにあまり乗り気ではありませんでした。各々目指す場所もキャリアもフィールドも違うメンバーだったため、「共通の会話ができるのだろうか?」と疑心暗鬼なままスタートしました。ですが、ワークを重ねるたびにグループの熱も高まり仲も深まり、グループになって会話をすることが毎講座楽しみになっていきました。卒業した今も、月一で集まりたいくらいです。

自分の仕事やなりたい自分について、じっくり考えることは今まで何度かやってきたつもりです。

講座では、自身のナリワイをいざ練り出す段階に入った時に、メンターや同期メンバーからの客観的な応援シャワーやアイディアを浴びることができました。

初めての経験に、「なんて嬉しくて気持ちよくて愛で溢れるメンバーなのだろう…」と感動しました。有志で自分も他のメンバーのナリワイブラッシュアップのミーティングに参加することもできるため、自分と似たような得意を持つメンバーや考え方が似ている人、今後一緒にお仕事できたら楽しそうな人とも交流することができました。

新ナリワイを掲げ、自分の進む先が定まった

この度、「ありがとうがめぐる食と農のアトリエール」という新ナリワイを出産しました。

「アトリエール」=「アトリエ(化学反応が起きる場所、新しいものが生まれる場)+エールを送る人」 の造語で、ワークを重ねて自分のできること、やりたいことの棚卸を行なうあいだにふと降りてきたナリワイ名です。

元来、人は食べなくては生きていけない=一次生産者はかけがえのないで尊い存在であるのにもかかわらず、一次産業者の頑張りや苦労が伝わらず、日の目を浴びにくい職業であることに悶々としていました。

そこで、農家フェチで生産者でも消費者でもあり、食のプロフェッショナルとも言える資格を持つ私自身が「生活者と生産者のハブ的(窓的)存在」になり、 化学変化で生まれた光を畑に還元し、農家の社会的地位UP& 農家をもっと身近な存在にしていきたいという気持ちを込めて新ナリワイを組み立てました。

「食と農のアトリエール」は、既存ナリワイの管理栄養士や料理研究家、ライターとしても活動していく予定です。加えて、新しく「農産物のできる背景と美味しい食べ方、両方を伝える伝道師」としてのインフルエンサーを目指し、食べる側と作る側の窓のような存在になっていきたいと思います。

また、農業が楽しく、面白く、やりがいのある職業であるためには一番そばにいる人が幸せでなければいけないと強く感じています。これからの農業を輝かせるのはプレイヤーでもある『令和の農家の妻』なのだ!と。

農家の妻が輝くことで農業も明るく照らされるはず。 ジェンダー意識が薄い農村で、大切な農家の妻たちが折れないように支え合え、背中を押しあえる緩いつながりの場も作っていきたいです。

2023年10月から始まるナリワイ助産院2期 のエントリー期間は7月31日(月)〜9月7日(木)23:59です。詳細はこちらをご覧ください

INFORMATION

管理栄養士・料理研究家・農家の妻  井澤綾華

管理栄養士・料理研究家・農家の妻  井澤綾華

北海道生まれ。札幌西高校卒業後、食のプロフェッショナルを志し、天使大学にて栄養学を学ぶ。在学中は、全国の農家との交流や札幌市内の食品ECでの勤務を通じて農業と食の現場経験を重ね、並行して料理研究家としても活動。卒業後は管理栄養士の資格を取得し、フリーランスとしてレシピ提供や講演・執筆活動を行っている。北海道栗山町「井澤農園」4代目・孝宏の嫁であり、三児の母でもある。モットーは「食卓を支える生産者をより身近に感じることで、生活者の食をより豊かにしたい」。

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