2021/07/28

家庭菜園の極み、夏野菜。うまくいかない時のごきげんとり【畑の魅力伝道師 やなぎさわ まどか】

※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

皆さん、こんにちは。ハタケトの編集担当、やなぎさわまどかです。今年も想像通り暑い夏がきました。体調崩したりされていませんか。台風などもある時ですのでどうぞ無理なく、そして健やかにお過ごしください。個人的には、体はそれなりに暑さに順応するものの、畑の野菜たちがしんどそうでたまりません。

持つモノと持たざるモノ

家庭菜園をしていると毎年色んな学びや課題が生まれ、100%満足できることなどない、と頭でわかっているのですが、それにしても今年はあまりうまくいかない種類が多い気がします。

茄子とピーマンは、苗の時はどちらも自分史上最高に良い感じに思えましたが、畑に移した直後から虫食いにあい、葉っぱが見事な総レースのスカスカに。それでもこの2つの野菜は少しは実をつけてくれていますが、葉物のケールは全ての苗が総レースを通り越して軸だけとなり、オクラにいたっては芽出しに2回失敗しているうちに手元のタネが切れて時期も損ねてしまいました。2種類つくっているキュウリはどちらも程よく採れ出したのですが、暑さのせいか早々に枯れ気味の終了モード。どれもこれも毎日毎食食べたいほどの大好物なので、来年に向けてしっかり対策を考えねば、とわたしの中の真面目さが心をせっついてきます。

でもこれ、個人的には紛れもない「要注意モード」のサイン。何度も繰り返した結果、やっとこのサインを見逃さないようになってきました。

(ある日の収穫)

要注意モードになる時、つまりは今年の春頃に「7月になったら茄子もピーマンもキュウリもオクラも、食べ切れないほど採れて困った〜と嬉しい悲鳴をあげたい」だの「運動後のプロテインにケールを混ぜて毎朝飲みたい」などと想像していたことが実現しなかったため「来年こそ!」と思っているのです。

いやいや待て待て違うだろ、と脳内で自分にツッコミを入れます。
なんのための家庭菜園なのか、と。

それは、「好きなものを好きなだけ食べたい」なんていう大いなる欲よりも先に、「買い物を減らして自分を楽にすること」や「植物の循環を身近で実現させること」といった現代社会を生きるものとして描いた理想の追求こそ、私が家庭菜園をしたい理由だったはず。

ならば、むしろ立派に出来たことに目を向けようではないですか!(脳内の声)

(初めてのインディアンコーン)
(初めての食用ホウヅキ)
(青以外は初めて、水色とピンクのヤグルマグギク入り自家製ポテトサラダ)
(初めてのスイヨウきゅうりとマイクロトマトで、オカヒジキとシソたっぷりのサラダ)
(3種類のミニトマトとスイカは自家製ミントシロップで冷たいマリネ)
(樹上完熟するまで待って漬けた大量の梅干し)

こうして振り返れば、「色々できてるじゃん!」と、今度は少し高いトーンになった脳内の声が聞こえてくるのでした。

そうそう。色々できているのは決して私だけじゃありません。これを読んでくださってる方もまだお読みでない方も、みんな本当によくがんばって生きている。これほど色んなことが起こった上に集中力も体力も奪うような酷暑の中で、本当に毎日えらいです。これだけは脳内ではなく自分の声で言いたいことです。

最後にお気に入りのサマードリンク紹介

自分の家庭菜園の目的を振り返ったところで、もう一つ思い出したことがありました。それは数年前、大切な友人に教わったスムージーです。

ローフードの専門家でもある彼女にはスムージーの魅力をたくさん教わっていましたが、中でもこれは私にとってベストと言ってもいいほどのお気に入り。これが飲めると思うと(大げさではなく)どんな猛暑だろうと夏が楽しみになるほどに大好きなスムージーです。

中身は、スイカ、トマト、シソ、塩麹。塩麹以外はすべて夏が旬です。ぎらぎらの夏に負けず、むしろ自らのエネルギーに変えて赤くなったり大きくなる食材を摂って、私も夏をたくましく過ごしたい、そのためにも全部自家製したい!と思ったのが家庭菜園のモチベーションになっていました。

いや正確には「モチベーションだったことを思い出しました」、です。あぶないあぶない、うまくできなかったことに気を取られているうちに原点を忘れるところでした。今年もこんなにおいしく赤いスムージーを飲めているというのに。

まだしばらく続く暑さ。うまく自分のごきげんを取りながら、暑さともうまくつきあっていきましょう。

ライター/やなぎさわまどか