2021/06/18

簡単「蒸しキャベツ」レシピ紹介。忙しくても野菜はおいしく食べたいから、心にハタケの風景を【畑の魅力伝道師 いまむらゆい】

※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

こんにちは、管理栄養士、お野菜レシピ考案家のいまむらゆいです。3ヶ月になる女の子の子育て真っ最中。慌ただしい毎日ですが、野菜料理をおいしく食べることをいつも心がけています。今回は、そんなわたしが実践している、簡単に野菜をおいしく食べるコツをご紹介します。

畑に行けないもどかしさを、料理で緩和する

ワンオペで慌ただしくも、楽しい育児。子どもとの時間はわたしにとってかけがえのない時間です。それでもふと浮かぶのは、「畑にいきたい」「農に触れたい」という気持ち。

子どもが生まれる前までは、休みの日には農家さんのところへフットワーク軽く早朝からお手伝いに行っていました。もちろん子育て中の今も家族の協力があれば、出来ないことではありません。それでもなかなか、産前のようには動けないもの。

子どもとの時間が最優先の今の生活の中で、ハタケに関わる時間はなかなかとりにくいというのが現状です。そんなとき、わたしは子どもの様子を見ながらも、料理の時間を作ります。料理を通じてハタケに想いを馳せるのも楽しいものです。

地元の直売所で買った野菜、知り合いの農家さんの野菜、直販サイトでどんな農家さんなのか知った上で手にした野菜、そんな野菜たちを料理することで、ハタケをグッと近くに感じることができます。農家さんとの繋がりがあれば、「この野菜おいしかったです!」「こんな風に食べました!」と感謝を伝えていけたら、より野菜料理を楽しむことができますよ。

おいしい材料があれば、料理はほぼ完成。

わたしが料理が苦にならずに作り続けられているのは、「料理は単純でいい」と思っているから。そしてその単純さは、野菜をおいしく食べることにも繋がってきます。切っただけ、火を通しただけの野菜に塩麹やみそを添えれば、それだけで立派なおいしいおかずです。

ありのままの野菜がおいしすぎると、手を加えたくないと感じることありませんか?それでいいんです。生き生きとしたおいしい野菜があれば、料理の大半は完成です。

野菜のうまみを最大限に引き出す調理法「蒸す」

焼く、炒める、揚げる、煮る…料理はさまざまな調理法がありますが、野菜好きの管理栄養士であるわたしが特にオススメしたい調理法は「蒸す」です。

素材のうまみを存分に引き出しつつも、水に溶け出やすい味や香り、栄養素を閉じ込めたまま仕上げてくれます。そして、加熱中はほったらかしでいいのも蒸し物のメリット。その間に、お皿を洗ったり、他の料理を作ったり、休憩したり(笑)もできます。

わたしが思う、蒸す調理方法が似合う野菜の一つは、「キャベツ」。春はふわっと柔らかく、優しい甘み。冬は葉がギュッと一玉になって、キャベツらしい香りが楽しめる。夏秋は、涼しい高原で育てられた立派なキャベツが多く出回ります。

一年中出回るキャベツは手軽においしく食べたいものです。今回のコラムでは蒸し器を使わずにできる簡単な蒸し方と、アレンジ料理もご紹介します。キャベツを通してハタケに思いを寄せつつ、手軽にたっぷりとキャベツを味わうキッカケになれば嬉しいです。

蒸しキャベツの作り方

まず、キャベツ¼個をざく切りにします。ここは大胆にザクッと。

余裕があれば、硬い部分はそぎ切りにするのがおすすめ。断面が広がることで、火が通りやすく、蒸すと甘みが引き立ちます。

鍋またはフライパンに、水を大さじ2、切ったキャベツ、塩をひとつまみ加えてフタをします。中火で1〜2分、弱火にしてさらに15分加熱します。穴開きのフタの場合は水気が足りなくなる場合もあるので、焦付き防止のために、鍋底に行き渡る程度の水を加えてください。

キャベツが透きとおり、甘い香りがしたら火を止めます。保存容器に移して粗熱をとり、冷蔵庫で保存します。残った蒸し汁にはキャベツの出汁が出ているので、捨てずにスープに加えるのがおすすめです。より味が深まりますよ。保存期間は3〜4日程度です。

アレンジレシピ

蒸しただけのキャベツを用意しておけば、アレンジ無限大。副菜にも、主菜にも、汁物にも活用でき、調理時間の時短にも繋がります。

小皿に蒸しキャベツを盛り付け、味噌や塩麹、醤油麹を添える簡単な一品で十分。優しい甘みと塩気で体に優しい一品です。その他に少しアレンジを加えた応用メニューもご紹介します。

《蒸しキャベツと蒸し鶏を和えるだけ》

蒸した鶏胸肉(ツナやサラダチキンでも)と蒸しキャベツ、醤油または醤油麹、ごま油、仕上げにすりごまを散らせば完成。朝食にも食べやすい。

《肉巻き蒸しキャベツ》

蒸しキャベツを豚薄切り肉で巻き巻き。キャベツに火が通っているので、お肉の色が変わるまでさっと火を通せばOK。ポン酢やごまだれをかけて召し上がれ。

《さっとみそ汁、スープに。》

乾燥わかめと蒸しキャベツ、みそに熱湯を加えれば、あっという間にみそ汁が完成。みその代わりに塩麹と少しごま油を垂らして中華風スープにしてもおいしいですよ。

今回は、蒸しキャベツをご紹介しましたが、同じ手順で玉ねぎやにんじん、きのこ類でも試してみてくださいね。

料理で心にハタケの風景を

「自分の心にゆとりを持たせることで、自分以外の人にも愛を持って接することができる。」わたし自身にも言い聞かせながら、育児に励んでいます。手抜き料理でも野菜を味わって食べることは、心の栄養になりますよ。余裕のない時こそ、料理で心にハタケの風景を持って、過ごしてみてくださいね。

ライター/いまむらゆい