2024/04/13
パプリカの魅力を伝播する複業ママ
「人も食も、いのちはすでに魅力的!」と考えているaiyueyoでは、らしさが溢れるごきげんな人生の実現を応援しています。人生の大きな割合を占めるのが仕事。そんな仕事を自分の強みや想いの宿った「ナリワイ」に変えている方々がいます。この連載では自分のナリワイを楽しむごきげんな大人たちを紹介していきます。
今回は千葉県で農家の妻であり、1歳のお子さんの母であり、地域の農協職員としても勤めている長谷川直子さん(以下、なおぴー)にお話を聞きました。
ライフワークとしてパプリカファンを増やしたい!
── なおぴーの自己紹介をお願いします!
なおぴー:こんにちは!私は千葉県長生(ちょうせい)郡長生村のトマト農家の妻で、地元の農協でも働いています。農協では今まで農業技術を農家さんに教える部署で勤めていましたが、昨年の出産を機に約1年間の育休後、今まさに金融系の部署に移動した直後で少し慌ただしい日々を送っています。
そして少しですが、夫のトマトが育っているビニールハウスの中でパプリカを試験的に栽培しています。パプリカが大好きで、パプリカの魅力をたくさんの人に伝える「パプリカファンメーカー」になることをライフワークにしています。
オランダで気づいたパプリカの魅力
── 育てちゃうほどパプリカが好きなんですね!
なおぴー:そうなんです。好きになったきっかけは海外研修でした。
20代のうちに海外に行きたいなと思っていたのですが、新卒から市場の仲卸の会社に勤めていた頃に「このままだと何も出来ずに20代終わってしまいそうだな、嫌だな」と思い、2016年に会社を辞めて約1年間海外へ農業研修に行きました。
行き先はオランダだったのですが、その時の研修先がパプリカを作る会社だったのです。そこで長さ20cmもある「パレルモ」という品種の細長いパプリカや、一口で食べられそうな「スナックパプリカ」という品種など、日本では見たことがない品種のパプリカに出会いました。
ヨーロッパはパプリカをサラダやグリル、スープやソースにして食べる文化があり、料理のレパートリーも多くて。日本では食卓に彩りを加えたい時や、クリスマスなどのイベントの時に添えるくらいでしか食べない野菜じゃないですか。けれど、もっといろいろな楽しみ方があるということと、栄養価がすごく高いお野菜だということに可能性を感じて、パプリカの良さをもっと広めたいと思ったんです。
── パプリカファンメーカーとしてはどんな活動をされていますか?
なおぴー:パプリカは、夫が作っているトマトの横で13〜14本程度しか育てていないのですが、多品種を育てて個性を発見しているところです。
収穫したパプリカを直接販売をしたり、農協の直売所に並べたり、近所のグランピング施設の朝食に使っていただいたりしています。
他にはSNSで自分が作ったパプリカ料理を紹介もしています。
── ポリポリパプリカ提唱者というナリワイが出てきたと聞きましたが
なおぴー:「ポリポリパプリカ提唱者」という名前は、今、aiyueyoの仲間にセルフブランディングしていただいている中で編み出されたワードです(笑)
オランダでの研修中、ミニパプリカでもあまりにも小さすぎるパプリカは規格から弾かれてしまうため、研修後の帰り道やおやつの時間にポリポリ食べていたんです。パプリカ料理と言われるとパッと思い浮かぶ人が少ないので「どうやって料理したらいいんだろう」と手が伸びないかもしれませんが、ただポリポリ齧るだけ、これもパプリカの新しい楽しみ方として提唱して行きたいなと思っています。
自分に合った働き方が「複業」
── 複業をしていてよかったことはありますか
なおぴー:私は農協の職員ですが、1歳児の母であり、トマト農家の妻でもある。しかも、パプリカも作ってる。母とか妻は職業ではないですが、自分の一つの役割としては大切なナリワイだと思っています。
例えば、結婚して勤めているだけだったら家と職場の往復だけになってしまうかもしれませんが、私の場合はパプリカのお世話をしにビニールハウスにも行くし、取り扱い先に納品やお話にもいく。SNSを使えば食べてくれた人とのコミュニケーションもできる。
「私には仕事しかない」、逆に「家庭しかない」という状況にならないことで、自分の好奇心が満たされたり、仕事で落ち込んでも家庭やパプリカによって気持ちが安定する、みたいな良い部分がありますね。
5月25日の愛食フェスに出店決定!
── 5月25日なおぴーさんのパプリカが東京で買えると聞きました!
なおぴー:はい!5月25日に東京の世田谷区で開催される「愛食フェス」で、夫が育てたトマトと、私が育てたパプリカを販売します。
ここでパプリカの魅力をお客様に直接伝えさせていただき、パプリカのファンを実際に増やしたいと思います。パプリカはトマトと調理すると相性が良いので、パプリカとトマトを一緒に使った料理も提案したいです。
また、ご縁があって、ジビエレザーの小物の代理販売もできそうです。千葉県にはキョンという小型の鹿のような生き物や、イノシシなどがいるのですが、これらは農作物を食べたり畑を荒らしてしまうことから「害獣」とされていて、駆除の対象になるのです。その獣の皮を利用した小物を販売することで、農村が抱える問題の一つをお伝えできればなとも思っています。同じく千葉の流山の「みりんキャラメル」も紹介できる予定です。
会場でお会いできることを楽しみにしています!
ライター/あやか
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