2024/04/06
森を、山を、守り続けたい。愛がベースのわたしのナリワイ
「人も食も、いのちはすでに魅力的!」と考えているaiyueyoでは、らしさが溢れるごきげんな人生の実現を応援しています。人生の大きな割合を占めるのが仕事。そんな仕事を自分の強みや想いの宿った「ナリワイ」に変えている方々がいます。この連載では自分のナリワイを楽しむごきげんな大人たちを紹介していきます。
今回お話を聞いたのは、会社員+5つの複業をされているデザイナーの南部寛子さん(以下:ひろこさん)です。幅広く活躍されていますが、全てのベースには愛と共感があるのだそう。特に大事にされている想いやその源泉を、聞かせていただきました。
デザイナー+α、幅広くチャレンジする日々
── ご自身のナリワイについて教えてください。
本業は、林業の会社でインハウスデザイナーをしています。会社としての主な事業は間伐と除伐なんですが、わたしの部署では、製材所以外のtoBの卸先やカーボンクレジットを活用したビジネスモデルを模索しています。わたしは、グループ会社全体のWeb・パンフレット・ポスターのデザインや、商品のパッケージデザインなどをしています。
いくつかの会社で業務委託としても働いています。aiyueyoではデザインの仕事のほか、デザイナーチームのマネジメントにチャレンジ中。他にも、2社でインハウスデザイナーとしてのお仕事、SHElikesではキャリアプランナーとして体験レッスンに来られたお客様へのキャリアカウンセリングもしています。
そして、業務委託のお仕事の中で一番深く関わっているのは、QINOという地域共創プロジェクトです。そこではデザインの仕事に加えてSNS運用のディレクションもしています。QINOは森林課題に向き合うために、木の新しい使いみちを考え、森と人とのかかわりしろをつくる様々な機会を企画しています。そのひとつとして「木から生まれたスパークリングウォーター」を販売しています。
── 本当に色々なお仕事をされているんですね…!
特別な思い入れのある、「森」にかかわるナリワイ
── ひろこさんの中で、ナリワイの軸になっている考え方などはあるんでしょうか?
お金を稼ぐためだけのお仕事はやっていないんです。「共感できる」「応援したい」と思えることを大事にしています。だからこそ色々とやりたくなってしまって、たまに詰め込み過ぎてしまうこともあります(笑)
── なるほど、素敵な考え方ですね。「木」に関係するお仕事が多い気がするのですが、その理由はあるんでしょうか?
わたしは石川県の山が多い地域の出身で、祖父が製材所をやっていました。父も山が好きで、よく山菜を採ったり薪を作ったりしていましたし、わたしも小さい頃から週末は山に行くのが普通の生活だったんです。
祖父はたくさん山をもっていました。父の代からは製材所はやっていなかったので、亡くなったあとになかなか管理が難しくなってしまって。
あるとき、久しぶりに山に入ったら、見慣れていたはずの景色が変わってしまっていたんです。
そのとき、思ったんです。わたしが大好きだった綺麗な森を、山を、繋いでいきたい。そのためには気にかけて、価値があることを伝え続ける必要があるって。
こんな理由があって、「木」に関するお仕事には思い入れがあります。
木の新しい価値を提案し、森を守る
── 「木から生まれたスパークリングウォーター」とは初めて聞きました。どんな商品なんでしょうか?
木を蒸留することで香りが溶け出した水を使った炭酸水です。「黒文字」と「杉」、2種類のフレーバーがあります。黒文字は、石川県の白山地方のものを使っています。いわゆる森の香りで、紅茶っぽいような、フローラルさも感じられます。杉は、山梨県のものを使っていて、スモーキーでおしゃれな香りが楽しめます。
森を守っていくためには木を使い、次の木を植え、育てていくことが必要です。でもいま日本では、多くの山が放置され、循環が止まっている現状があります。
この課題を解決するために、木の新しい使いみちを創造する取り組みのひとつとして、開発された商品なんです。
普段は森が身近にはない東京で働いている方たちと一緒に森に入り、アイデアを出し、企画が生まれる過程がとても楽しいです。普段と違う環境だからこそ、斬新なアイデアが出るのだと思います。また、地元の石川県で、しかも森が大好きなわたしが携わっているからこそ、できている部分もあると思います。
── 炭酸水、とっても飲んでみたくなりました!他にもおすすめポイントはありますか?
これを飲むと、どこにいても、例えば街中にいながらも、深呼吸するようにリフレッシュできるところです。「木が飲み物に?!」という驚きを味わえるのも面白いと思います。
これをきっかけに森林課題に興味をもっていただけたら嬉しいです。1本あたり10円が森林保全活動に寄付されるようにもなっています。
いい“ ambai(塩梅) ”がわたしの強み
── 幅広く活躍しているひろこさんですが、今後どんな風にナリワイを行っていきたいと考えていますか?
最近、自分の屋号を付けたんです。「いい塩梅」という言葉から発想を得て、“ ambai ”としました。
わたしはナリワイの中で、アウトプットするだけではなく「そもそも何が必要か」「どんなコンセプトが良いか」といった段階から関わることが多いです。その中で求められていることを汲み取り、調整し、「いい塩梅にできる」ことがわたしの強みなんです。
今はデザインの力で想いを叶えるためにも、修行のような期間だと思っています。色々なことにチャレンジしてきましたが、ずっと満足がいかないんですよね(笑)
これからも自分の強みをいかして、進んでいきたいです。
5月25日の愛食フェスに出店します!
いかがだったでしょうか。幼い頃から慣れ親しんだ森への愛を原動力に、挑戦し続けるひろこさん。木の新しい価値を生み出すことで森を守る取り組みは、とても興味深いですよね。
本記事にも出てくる「木から生まれたスパークリングウォーター」は、aiyueyoが主催する5月25日の愛食フェスで販売されます。スパークリングウォーターの他にも、ハーブを使ったノンアルコールドリンクなどもご用意いただけるそうです。
ぜひお手にとって、リラックスしつつ、自然に想いを馳せる時間を味わいにきてくださいね。
ライター/ちーこ
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