「人も食も、いのちはすでに魅力的!」と考えているaiyueyoでは、らしさがあふれるごきげんな人生の実現を応援しています。人生の大きな割合を占めるのが仕事。そんな仕事を自分の強みや想いの宿った「ナリワイ」に変えている方々がいます。この連載では自分のナリワイを楽しむごきげんな大人たちを紹介していきます。

今回お話を聞いたのは、青森県でAppleGiftersという名前でりんご農家を営む工藤秀平さん(以下、工藤さん)です。家族代々りんご農家だったという工藤さんに、今後のりんご栽培への意気込みや、りんご販売の楽しさについて伺いました。

AppleGiftersという肩書きに込めた想い

自分のりんごを食べた人が美味しいと喜んでくれるのを見て、「りんごの贈り手」に

── なぜAppleGiftersと名乗っているのでしょうか?

工藤さん:僕は家族代々りんご農家で、自分が就農する前から直売で贈答用のりんごを知り合いに向けて販売していたんです。いざ自分がりんご農家になって、農家以外に何か変わった肩書きはないだろうかと考えるなかで、自分はりんごを育てるだけじゃなく、贈るひとでもあると気づきました。そこで、“gift”に英語で「〜をする人」という意味の“er”をつけて、Applegifter(贈る人)と名乗るようになったんです。活動するうちに、仲間が増えていき現在は複数系の“s”をつけて“Applegifters”と名乗っています。

── そんな経緯があったんですね。会社の名前にも採用した理由はありますか?

工藤さん:実は青森県って工藤という苗字が多く、りんご農家も多いので、「工藤農園」だと他の農園と区別ができなくなってしまうんです。僕たちのりんごを受け取った方が、もう一度注文したいと思ったときに検索しやすいように、分かりやすく差別化できる名前として会社名にも使用しています。

愛され続けるりんご農家でいるために

樹木の成長や品種の流行に合わせて、苗の植え替えなどを行う

── 現在はどれくらいの規模で農業をされているんですか?

工藤さん:昨年までは5ヘクタールでしたが、今年は1ヘクタール増やして合計で6ヘクタールになりました。今年は2500本ほど新しくりんごの木を植える予定です。実はりんごって苗を植えてから、収穫できるようになるまで5年もかかるんです。今後、元からある農地で苗の植え替えを計画しているので、植え替えをしている間に収穫量が減らないよう、一時的に農地を拡大しています。植え替えた場所の苗が成長したら、栽培効率が良い農地だけにする予定です。

── 同じ木からずっと収穫し続けるのではなく、循環させていくんですね。

工藤さん:りんごって収穫しようと思えば100年くらい同じ木から収穫し続けることが可能なんです。でも、木が育ちすぎると作業効率も悪くなりますし、時代によって好まれる品種も変わるので、定期的に入れ替えるようにしています。食べていただく方に喜ばれるおいしいりんごを安定して供給するための工夫を凝らしているんです。

── 最近、シャインマスカットや桃の栽培も始められたとか。

工藤さん:シャインマスカットは去年から、桃は今年から始めました。りんごの収穫時期と重ならないように調整しながら、数年後に収穫、販売できればと思っています。りんごも7種類以上の品種を扱っていて出荷作業所が手狭になってきたので、増築を考えています。

食べていただく方に果物を楽しみ続けてもらえるように、使用できる資源を生かしながら、自分にできることを模索し続けたいです。

りんごを通して喜びと出会う

食べてくれる人からのおいしいという言葉が原動力に

── どんな方が注文してくれることが多いですか?

工藤さん:大学の友人から広まって、埼玉や東京、あとは東北や北海道が多いですね。みなさん、おいしい! と喜んでくださいます。ありがたいことに年末の注文が多く、特に「ふじ」という品種の収穫時期の11月から12 月はとても忙しくさせてもらっています。

── りんごを販売するなかで、印象的だったエピソードはありますか?

工藤さん:販売している商品のなかで、一番大きなものがだいたい60個弱が入るサイズなんですが、その注文が入った2-3週間後にまた同じお客さんから注文が入ったときは驚きました。そんなスピードで無くなるほど、おいしいと思ってくれているのかなと嬉しくなりましたね。その方は年間に計10箱も頼んでくださるんです。そこまで愛してくれるお客さんがいるのは、本当にありがたいです。

── 工藤さんはりんごの販売だけでなく、加工品も販売されていますよね。

工藤さん:ドライアップルとりんごジュースを販売しています。傷が付いたりして、おいしいけれどそのままでは販売できないようなりんごを加工品にしています。生のりんごの収穫時期以外にも、おいしいりんごの味を楽しんでもらって、Applegiftersのりんごを好きになってもらいたいです。

5月25日の愛食フェスに出店します!

りんごの収穫時期以外にも楽しめるリンゴジュースを販売中

青森県から、大切な人に贈りたくなるおいしいりんごを届けるApplegiftersの工藤さん。Applegiftersでは、毎年9月ごろから生のりんごを販売しています。気になる方はぜひオンラインショップをチェックしてみてくださいね。

aiyueyoが主催する5月25日の愛食フェスでは、ドライアップルとりんごジュースを販売します。工藤さんの丁寧な栽培で育ち、想いが込められたりんごをぜひ楽しんでください。

ライター / りょこ

INFORMATION

愛食フェス概要

愛食フェス概要

日時:2024年5月25日(土)11:00~17:00(雨天決行)
場所:BONUS TRACK(東京都世田谷区代田2丁目36-15)
内容:マルシェ
入場料:無料

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