2024/04/29

仲間に支えられ 心動くままに歩んできた おむすびの道

「人も食も、いのちはすでに魅力的!」と考えているaiyueyoでは、らしさがあふれるごきげんな人生の実現を応援しています。人生の大きな割合を占めるのが仕事。そんな仕事を自分の強みや想いの宿った「ナリワイ」に変えている方々がいます。この連載では自分のナリワイを楽しむごきげんな大人たちを紹介していきます。

今回お話を伺ったのは、お米が大好きなみほさん。
将来は「土曜午前を最高な時間にするおむすび屋」をひらくことが夢だと言います。
社会人になって初めて見つけた夢と、愛食フェスへの出店に対する想いについてお話してもらいました。

大人になって見つけた夢「土曜午前を最高な時間にするおむすび屋」

── 「土曜午前」と時間をはっきりさしているのが面白いですが、なぜなんでしょうか?

みほ:土曜午前が持つパワーを信じているからです(笑)
社会人なりたての頃、平日は仕事に必死で週末には力尽き、土曜午前をまるっと寝て過ごすことが多々ありました。

ある日、土曜午前に早起きをして、自分の好きなことに時間を使ったとき、「革命だ!」と感動したんです。だって、こんなに充実した時間を過ごしたのに、まだ午後も日曜日もあるなんて。まるで体感3連休です!(興奮)

日々、わたしたち頑張ってるじゃないですか。とことん、自分を褒めて、励まして、「よし、また来週もがんばるぞ!」って、そんな力がみなぎる場をつくりたくなったんです。

── 提供するものは「おむすび」なんですね?なぜおむすびなのでしょう。

みほ:ざっくり理由が3つあります。

1つ目は、シンプルにお米が好きなんです(笑)
昨年は、田植えや稲刈りに行ったり、おむすびのむすび方を習いに行ったりしました。

左から、田植え、稲刈り、おむすび修行の様子

2つ目は、受験期に母が作ってくれていたおむすびの記憶ですね。

毎日欠かさず、塾の前におむすびを持たせてくれました。おむすびの具は唐揚げなど、日々違うおかずが入っていて、ちょっとした楽しみでした。いま振り返ると愛情をもらっていたなと思いますし、夜まで頑張れてしまうおむすびの力ってすごいなと感じましたね。

3つ目は、おむすびのことを知るほど、新しい自分に出会えるからです。

お米が好きでおむすびに興味を持ち、実際に田植えや稲刈りをしたり、おむすびのむすび方を習ったり。旅先でお米に合いそうなものを買いながらその地域のことを知ったり。最近は、友人を招いて「お米の違いを楽しむ食べ比べワークショップ」を開催したりと、たのしいと思うがままに動く過程で、新たな自分に出会ってきました。おむすびと二人三脚で進んでいる感覚があるんです。

自主開催したお米の食べ比べワークショップの様子

心動くままに進んだ先で出会った新たな自分

── 本当にお米やおむすびが好きなんですね。アクティブに行動されている印象を受けましたが、以前からこういう活動をされてたんですか?

みほ:いえ、行動しはじめたのはここ2〜3年です。
もともとは、決められたレールの上を進むこと、誰かのためにがんばることが幸せだと思っていたんです。

だからこそ就活のとき、「将来何がやりたいのか」と聞かれたときに頭が真っ白になる自分がいて。自分のことなのに「何が好きで、何がしたいのかわからない」。苦しかったですね。いま思えば「答えられて当たり前」と勝手に自分に期待してたから辛かったのかもしれませんが。

社会人になって、自分の意思で生きている人に出会うと、そういう人たちに惹かれていきました。

*

ルソーの言葉に「人を作るのが理性であるなら、人を導くのは感情である」という言葉がありますが、まさにその通りで。

日本一周中、食べたいがままに、いろんな銘柄のお米を食べたり、田植え/稲刈りなど米づくり体験をしたり、友人を招いてお米の食べ比べをしたり、心動くままマイペースに歩んでいたら、「気づけば、こんなところに来ていた!」と気づく瞬間がありました。おむすびの道を究めることが「ただ好きなこと」であり、探していた「やりたいこと」のヒントでした。そこから、私の中にも「意思」が芽生えました。

決められたレールでも、誰かのためでもなく、自分のために動く。その結果として「自分が蒔いてきた種から芽が出る」ということが、こんなにも愛おしいことだと気づいたのは23歳の頃です。

また最近は、「やりたいことを叶える」にあたり、苦手だった「周囲を頼ること」ができるようになってきました。「頼ってもいい?」と聞く前から、「おむすび出店してみない?」など、力を貸してくれて、一緒に歩んでくれる方たちのおかげで克服してきました。

誰かにやさしくしてもらうと、その人への感謝の気持ちが募るのはもちろんのこと、また別の場所で困っている人に出会ったとき、今度は手を差し伸べる側になっていたりします。こうして愛や感謝の循環の中にいると、どんどん新しい自分に出会って次の一歩に繋がっていくんです。

── 考え方に大きな変化があったんですね。

みほ:本当は自分を表現することが苦手で、毎回ドキドキします。でも心が踊る方を選ぶこと、仲間の力を借りること、こういうことができるようになってきたいま、初めて自分の道を自分で作っている感覚があります。そして、それが幸せだと思う自分がいます。

将来はこんな風に、おむすびの魅力を伝えることを通じて、目の前にいる人の琴線に触れる(肝心なことに気づかせてくれる)ような瞬間をつくる人でありたいなと、ぼんやりと思い始めているところです。

土曜午前を最高な時間にするおむすび屋を夢見て

5月25日の愛食フェスに出店します!

── どんなお店を出店するのでしょうか?

みほ:BONUS TRACKにお店を構える「お粥とお酒のANDONシモキタ」さんと、「愛食フェス限定ダブルおむすびセット」を提供します。

おむすびの中でもとりわけ、「お米の味や食感がちゃんとする、“お米が主役”のおむすび」が好きなんです。ANDONさんはまさに、「お米を主役にしたおむすび屋」としてお店を立ち上げられていて、そのコンセプトに共感していました。

今回出店するにあたり、わたしからANDONさんへラブレターをお送りしたところ(内心ビクビクでした)、「ぜひ、やりましょう!みほさんのやりたいことを叶えましょう!」と全力で応援してくださり、コラボが決まりました。

頼もしいお兄ちゃんのようなDaiさん(ANDONシモキタ店オーナー)の打ち合わせの様子

打ち合わせや撮影を行っていく過程はとにかく夢中で、“自分を忘れている感覚”でした。
きっと”自分を忘れているときの自分”こそ本当の自分の姿で、こういう時間を積み重ねることで、大事にしたいことや人が見えていくのだと思います。

一瞬一瞬、幸せを感じた準備期間、
当日を迎える前から、感謝の気持ちで胸のあたりが、じわっと熱くなっています。

愛食フェスへの出店に向け、気合い十分の二人

── 「愛食フェス限定ダブルおむすびセット」とはどんなメニューなのでしょう?

みほ:ANDONさんは、代表・武田さんの地元「秋田県」の素材を使ったおむすび屋さんなんです。今回は、秋田のお米から2銘柄厳選しました。
ちがいを知るからこそ「らしさ」がわかる、そんな体験になれば、と愛食フェス限定の「食べ比べメニュー」を提供します。

まずは海苔も塩もつけず、”おむすびだけ”で頬張ってみてくださいね。

そのあと、こだわりのお塩、海苔、付け合わせなどと一緒に食べながら、「お米が主役の感覚」を味わっていただけたらうれしいです。

愛食フェス限定ダブルおむすびセット

また、今回の出店を機にお伝えしたいことがあります。

それは、「おいしくいただく」という考え方です。

いまとなっては、簡単に”おいしいもの”が手に入りますし、何より忙しい日々、スマホを見ているうちに気付いたら全部食べ終わっていたなんてこともよくある光景です。
この日だけでも、目を瞑って素材のうまみを堪能しながら、「おいしくいただく」、そのしあわせを堪能いただけたらと思います。

晴れても雨でも元気に営業します!たのしみにお待ちしています

ライター/みか、編集/せいちゃん、カメラマン/霜田直人

INFORMATION

愛食フェス概要

愛食フェス概要

日時:2024年5月25日(土)11:00~17:00(雨天決行)
場所:BONUS TRACK(東京都世田谷区代田2丁目36-15)
内容:マルシェ
入場料:無料