2026/07/14

生き方の選択肢を増やす、どこにいても暮らしをめいっぱい楽しむために

経営者、行政書士、デザイナー、経営コンサル、経営参謀型COOなど、複数のナリワイを持つ木村佳奈(らむちゃん)さん。転勤族の妻として変動的な生活を送るなか、「どこにいても楽しめる選択肢を持ちたい」という願いに素直に向き合い、今では仕事でも暮らしでも選びたい気持ちを優先した生活ができています。

仕事と暮らしが混じり合う生活

── 今のお仕事について教えてください。

らむちゃん:aiyueyoでは、主に経理と巡らす〜ぷの商品開発を担っています。aiyueyoを生み出したTUMMY株式会社に役員として関わっていて、aiyueyoに対する長期的なブランディング支援、会社の方針策定、ブランディング事業部の統括としてブランディングプロジェクトの管理を行いつつ、ブランド戦略家としてもクライアントと関わるなど、さまざまな角度から農や暮らしと密接に関わる活動をさせてもらってます。個人としては、行政書士の資格を活かしつつ、会社の設立から事業運営支援、デザインなどもやっています。
夫の転勤に左右されずに働きたいと考え、場所を選ばずに働けるスキルとしてデザインと行政書士の勉強を同時に始めました。結果的に掛け算で自分ならではの強みを出すことができ、経営などの事業の根幹からデザインなどの表現まで、関われるようになったんです。

── たくさんのことに取り組まれていますが、どんな風に仕事とプライベートを分けていますか?

らむちゃん:オンオフがはっきりした働き方が、自分にあまり合っていないと思っていて。日常生活のなかでも常に仕事に関わることを考えているので、いわゆる仕事の時間は手を動かしてアウトプットをするだけの時間という感じなんです。なので、仕事の時間にガッと集中して、頭を使いながら、大量のタスクもこなしていくというわけではないので、そこまで大変さを感じないんですよ。
仕事って生活と必ず紐づいていると思っていて。仕事のアンテナを持ったまま生活をすることで、仕事に役立つ気づきを得られるんです。生活者という意味では、私も1つのサンプルですから。生活者の自分を、仕事目線の自分が常に俯瞰しているようなイメージで生活しています。料理をしながら、巡らす〜ぷの商品開発のことを考えたり、生活している時の思考がデザインやマーケティングのアイデアにつながったり。仕事と生活を分断せずに地続きになっているからこそ、仕事でよいアウトプットができる。生活と仕事が混ざり合った状態が、性に合っているんだと思います。

楽しむために、やりたいことに手を挙げる

── お仕事を選ぶ上で、どんなことを大切にされていますか?

らむちゃん:実は、自分から仕事を選ぶということはあまりしていません。今は一緒に働いてほしい、助けてほしいと言ってくださる方とご一緒することが多いです。どんな役割であっても、いざというときに網羅的に動ける人として、役に立てればと。
ただ、「やってみたい!」という素直な気持ちはとても大切にしています。aiyueyoで経理を始めたのも、数字が好きでやってみたいと思ったから。TUMMYの役員になったのも、会社経営に深く関わりたいと思ったから。
できることが増えて、自分の立ち位置が変わると、情報量も経験の質も変わるんです。情報量と経験が変わると、生き方の選択肢が増えてどんな環境も楽しむことができる。それがすごくおもしろくて。
だからこそ、aiyueyoではやりたいと思ったことには手をあげています。どんな仕事か知りたいし、つくり手さんのことも知りたい。「やってみたい」「知りたい」という気持ちと、その先に可能性が広がった自分がいるはずという直感を大切にしています。

aiyueyo familyの食材を使った愛食会。らむちゃんお手製の料理が並ぶ。

── aiyueyoに関わるようになって、どんな変化がありましたか?

らむちゃん:TUMMY株式会社の代表のあべなるみさんを通して、TUMMYの創業時期から関わっていたよこいゆかさんにも出会って、2人の生き方、働き方、暮らし方にとても刺激を受けました。とくにaiyueyoメディアに掲載されているよこいゆかさんの記事に書かれていた「仕事とは好きな人たちと一緒にいるためのいちばんの方法」という考え方が印象に残っています。働き方ってこんなに自由でいいんだと2人に出会って気付けたことで、自分のやりたいことに正直に、恐れず手を挙げていいんだと思えました。仕事面で選択肢を持つことに対して軽やかになれたのは、2人のおかげですね。

もともと学生時代は、「やろうと思えば何でもできる」と思っているタイプでした。でも、社会人になって、結婚して、出産をして、環境が変わるなかで、だんだんと行動することや手を挙げることへのハードルを感じるようになっていたんですよね足踏みしてしまうというか。もちろん、当時の私にはそのときの私なりの葛藤があったんだと思いますし、過去の私も、過去の私のように悩んでいる人のこともむやみに否定したくないです。でも、一歩踏み出した先には必ず新しい出会いがあり、その積み重ねが世界を広げてくれる。今はそう思えています。

好きな人の応援を仕事に。何者かになることを手放したわたしの、心地よい着地点

── 今、専業主婦時代を振り返ってみていかがですか?

らむちゃん:専業主婦時代は山形に住んでいたんですが、窮屈だったとか、しんどかったとかはないんです。ただ、もっと私に選択肢があったら山形を楽しめたのにと思います。

当時は、私専用の車がなかったので、雪が降ったら子どもを連れて出かけるのは難しくて。私と子どもだけでは、徒歩圏内に出かけるのが精一杯。気になる場所があっても、土日を待って夫に連れて行ってもらわないといけない状態でした。自分でできることの少なさには不自由さを感じていましたね。

でも、それは私が山形という土地に合わせられる生き方の選択肢がなかったからなんですよね。山形は食べ物も美味しいし、いいところだし、今でも好きな場所。当時の自分に、山形を楽しみ尽くすアイデアや踏み出す勇気があったらもっと違う楽しみ方があったのではと思います。

ただ、そう思うのは今の自分があの頃よりも一歩二歩先の世界にいるからだとも思っています。未来の自分からしたら、今の自分も小さな世界で満足している状態なのかもしれない。専業主婦とか仕事をしているとか関係なく、もっと広い世界にいる人たちに会いにいく、話を聞きにいくことは意識したいですね。

冷蔵庫を開けたときに、食材を通して浮かぶ農家さんの顔

お子さんと共に、aiyueyo食堂のハンバーグプレートの準備中

── 暮らしの面ではどんな変化がありましたか?

らむちゃん:aiyueyoで活動するようになって、食の選択肢が大幅に増えたことで、暮らしの面でも満足度が上がりました。今は、冷蔵庫の中にaiyueyoで繋がった農家さんたちのお肉やお野菜がたくさん入っていて、扉を開けると一つひとつの食材のつくり手さんの顔や思いが浮かぶんですよ。その状態がなんだか嬉しくて。冷蔵庫とは別に独立した冷凍庫を購入したほどです。

── 仕事と暮らしの価値観が一致していますね。

らむちゃん:はい。aiyueyoで理想の暮らしを考えるなかで「一つの選択に固執せず余白を作っておきたい」という願望が出てきました。私にとって、仕事でも、暮らしでも、選びたいものを選べる状態であることが、生活の満足度に直結しているのかなと、今は思っています。

学生のときに読んだ本で見かけた、「選ぶことは他を捨てることだ」という言葉にハッとしたんです。私は直感を信じて、なるみさんと働くことを選んだ。なるみさんと働いてみた先で、aiyueyoのみんなや素敵な農家さんに出会えた。aiyueyoのみんなや農家さんも今の生き方を選択したから、私と出会ってもらえたんですよね。本当にたくさんの選択の先に、今がある。すごく尊いことですよね。これからも「やってみたい」と思ったことには素直に手を挙げて、私がそのときどきで選んだものでつくる暮らしをめいっぱい楽しんでいきたいです。そして、私と関わってくれた人の選択肢も増やせるような生き方ができたらと思います。

(インタビューはここまで)

ライター/りょこ 編集/まやこ

【推しの愛食コラム】
柴海農園の野菜
旬の野菜が届く定期便は、いつもの食卓を豊かにする野菜がたくさん!初めましての野菜と出会えるのも楽しい。

【推しの調味料コラム】
サル・デ・イビザ
旅行先のスペインで出会い、その旨みに衝撃を受けた塩。私の無類の塩好きが始まった原点です。