2021/08/24

甘いものを罪悪感なく楽しむ、お砂糖との付き合い方

子どもが「育つ力」を信じて、日々の子育てを楽しんでいるファーミング・ベアこと、農家のベアくん。友人の都市りすくんは、ベアくんの考えに共感し、もうすぐ始まる自分の子育てに向けて準備中です。りすくんはベアくんと一緒にクッキーを作りながら、甘いものについて相談を始めました。(前回の内容はこちらから)

登場人物

ぼくは甘いものが大好きなんだけど、欲しいままに食べるのも、子どもに自由に与えるのもなんだか不安なんだ。

わかるよ。自分や家族の健康を思うと、今まで以上に食べるもののことが気になるよね。糖分は生きていくために必要だから、食べたくなるのは生き物として当然なんだ。わたしは甘いものが大好きだからこそ、甘いもの自体を控えるんじゃなくて、食べ方を工夫しているよ。

食べ方を工夫する、という発想がなかったよ。詳しく教えて!

糖分を食べた分だけ体はがんばる

そもそも糖分は意識的にとらなくても、お米や野菜など色々な食材に含まれているんだ。それでもあえて糖分を精製した「砂糖」を食べることは、たくさんの糖分を一気に体に与えているということ。わたしは畑で過ごしながら、人間の体と農業を重ねて考えるようになったんだけど、砂糖は台風と似ているんだよ。

え、砂糖と台風が似ているの?

作物にとって自然環境は必要だけど、さすがに台風のように一度にたくさんの雨風に晒されると傷んでしまうよね。農家は雨風の事前対策や後片付けをがんばって、作物が元気に育ち続けられるように環境を整えるけど、毎日のように台風が来たらきっとがんばり続けられない。農家がお世話をできなくなったら、畑は荒れてしまうよね。

人間の体も似ていると思うんだ。体は日々わたしたちが食べる糖分をエネルギーなどに変えてくれているけど、一度に糖分を食べすぎると体は大忙しになるよね。体はできる限り糖分を消化しようとするけど、何度も続くと疲れてしまったり、壊れてしまうのも無理ない。そう考えているうちに、糖分を消化してくれる体のはたらきが台風から野菜を守ろうとする農家の姿と重なったんだ。

やっぱり食べ過ぎはよくないんだね。体が疲れて働けなくならないように気をつけなきゃ。

種類も選び方もいろいろ

でも、大好きな甘いものを控えるのは辛いなぁ。ベアくんはどんな工夫をしているの?

わたしも甘いものが大好きだから、我慢が辛くならないように白い砂糖だけ控えることにしたんだ。

前に精製についてのお話をしたね。精製度が高い砂糖であるほど、糖分が濃くて体をがんばらせてしまうから、できるだけ精製度が低い砂糖を選ぶように心がけているんだ。わたしの周りでよく売られているものを挙げると、てんさい糖・きび糖・黒糖などかな。

ぼくもみたことあるよ、茶色い砂糖だね!

りすくん、色だけで選ぶのは要注意だよ。茶色い砂糖の中には精製してから着色したものもあるから、原材料名も確認するのがおすすめ。

それから、わたしは用途に合わせて砂糖を使い分けているよ。料理の味付けはみりんが中心で、お菓子を作る時には蜂蜜・メープルシロップ・アガベシロップなどかな。加熱しても良さが変わらないという理由で、焼き菓子を作る時にはメープルシロップがお気に入りだよ。

糖分にもたくさんの選択肢があるんだね!

元気な体で甘いものを楽しみ続けるために

ベアくんはよくお菓子を作っているよね。

そうだね、うちは大人も子どもも日常的にお菓子作りをしているよ。例えばクッキーは材料をこねて成形して焼くだけで完成する手軽なお菓子。フライパンで目玉焼きを作るのと同じ感覚なんだ。

クッキーと目玉焼きが同じ!?ぼくはほとんどお菓子を作ったことがないからクッキーも難しそうに感じちゃうよ。

慣れるまでは大変なことに思えるかもしれないね。わたしも日常的に楽しめるようになったのは要領が掴めてからだったかな。元気に暮らすために続けたいことは、暮らしに馴染むように工夫するといいよ。例えば家族と楽しむ遊びのひとつと考えてもいいし、お菓子作りの道具がキッチンの奥に眠っているようだったら手前に移動してみるのもおすすめ。

甘いお菓子はできるだけ自分で作って糖分に気をつけているけど、もちろんお店で売られてるお菓子も食べたいし、思いっきり甘いものを食べたくなることもある。そういう時は濃い糖分で急に体をがんばらせすぎないように食後にするなど、食べるタイミングを工夫しているんだ。

食を変えるのは本当に大変なことだから、自分に厳しくしすぎないことも大事。大好きなものだからこそ、元気に楽しみ続けられるように上手につきあっていきたいね。

都市りすのひとこと

大好きな甘いものはいつまでも楽しみたいな。まずは家でどんな砂糖を使いたいか考えてみよう!

ベアくんが作るクッキーはこちらでも販売しているので、ぜひ味わってみてくださいね。次回はベアくんの考える「与えすぎない子育て」について詳しく教えてもらいます。お楽しみに。

ライター/わださえこ 編集/やなぎさわ まどか

INFORMATION

Farming bear(ファーミング・ベア)

Farming bear(ファーミング・ベア)

農家のクマ。2人の子どものお父さんでもある。
小麦やお豆、野菜など、家で食べるものはほとんど自分で作り、
いい土づくり、病気になりにくい野菜づくりを大事にしている。
子育てには、野菜を健康に育てる方法を応用。
農家ならではの食育や子育ての知恵や考え方を教えてくれる。