こんにちは、aiyueyoでライターをしている、ひろこです。2年前に都内から神奈川県逗子市に引っ越し、夫と5歳と3歳の息子と一緒に暮らしています。「子育て・暮らし・働く」をほどよく楽しみながら過ごす毎日です。

2年前までのわたしは、専業主婦として子どもたちを育てながらも、どこか悶々とした日々を過ごしていました。社会からの分断を感じ、“母親”としてではなく“わたし”として社会とのつながりが欲しいと思うようになったんです。そんなときに参加したのが、ハタケト(現aiyueyo)が主催するコミュニティ「ナエドコ」の0期。仲間と一緒に自分と向き合い、自分のやりたいことを真剣に考えたことをきっかけに、少しずつ目指していた暮らしや働き方が実現していきました。どのように変化していったかについては、こちらのコラムに書かせていただきましたので、よければご覧ください。

「ナエドコ」から始まった、わたしの理想の暮らし。それ以降も、子育てを楽しみながら、そこに少しずつ近づけたのには、他のコミュニティの存在もありました。愉快でチャーミングでちょっとお節介、そんな大好きな人たちが集まる場所。今回は、わたしの幸福度を急上昇させてくれた2つのコミュニティの話をさせてください。

畑と食で満たされる

私が働いているのは、もったいない野菜を使ったびん詰めの製造販売やケータリングなどをおこなうファームキャニングという会社。販売以外に、畑や食卓を軸にしたコミュニティの運営もしています。その中で、わたしが主に担当しているのが、メンバーで畑をシェアして、食の背景について学び合う「畑クラブ」の運営と、イベントの企画運営のお手伝いです。

ファームキャニングとの出会いはハタケト(現aiyueyo)で、代表の西村千恵さんを取材させていただいたこと。 お話を聞いているうちに、千恵さんの考え方や自然体なお人柄にどんどん惹かれていき、取材後、すぐに畑クラブの申し込みのメールを送りました。

畑クラブには平日と週末のコースがあり、それぞれ12名ほど参加しています。月に1度集まり、畑作業をしたり、旬の野菜を瓶詰めにしたりしながら、食の背景について半年間学び合うコミュニティです。

(畑クラブで草木置き場について説明する千恵さん)

実際に参加してみると、それはもうほんっとうに楽しくって。土に触れながら自然の巡りを感じ、みんなで季節の食材を調理してびん詰めにしたり、食の背景について楽しく学び合ったり……。暮らしに取り入れたいと思っていた、自然のリズムに合った生き方や旬のお野菜のさまざまな楽しみ方のヒントが畑クラブにはぎゅっと詰まっていました。

畑クラブで使う食材は、持続可能な農業をしている農家さんが作ったものや、無農薬のもったいない果物。時には、自然に近い無農薬環境で育てられじっくりと発酵した香り高い希少なバニラをびん詰めにする事もありました。食材一つにおいても、作り手さんの思いや育て方などの背景を大切にして選ぶ姿勢にとても学びがあるんです。また、スタッフの方が作ってくれるお野菜たっぷりのランチが最高においしくて。お野菜の調理法や美しいワンプレートの盛り付け方など、ランチのたびに発見がありました。

(畑でお野菜が収穫できたら食卓へ。この日は畑のホップをフリットにしていただきました。口にした瞬間に広がる爽やかな香りと微かな苦味が忘れられない味に)

活動終わりには、畑クラブの参加者に向け、ファームキャニングおすすめのものを販売するミニマルシェが始まることもしばしば。ファームキャニングのびん詰め、おすすめの調味料やもったいない果物の販売だけでなく、畑クラブの卒業生でお豆屋さんをしている方が販売に来てくれたこともありました。畑クラブの参加者は個性豊かな気持ちのいい人たちばかりで、みなさんとの交流も含め畑クラブに行くのが毎月の楽しみでした。

畑クラブに参加中、千恵さんに「食や農、教育に興味がある」とお話しすると、「それならファームキャニングで一緒に働きませんか?」と誘っていただき、運営のお手伝いをするようになりました。スタッフとして畑クラブに関わる今も、畑の様子から季節の移り変わりを感じたり、参加者の方から学びを得たり。みんなでおいしい食卓を囲むこの活動が、わたし自身の楽しみであることには変わりありません。

(ゼロウェイストを心がけるお豆やの「一合や」さん。この方との出会いでわたしはすっかりお豆の虜に。乾煎り豆の豆ご飯は最高です)

愛のある食卓を囲み、飲んで食べて思いっきり笑うことが最高の心の栄養

ファームキャニングのコンセプトは「Celebrate Life! 人生を謳歌しよう」。そんな会社だから、まずは関わるスタッフが人生をとても楽しんでいます。趣味で養蜂をやっていたり、自転車で国内外を旅したり、自分で醤油やアンチョビを作っていたり……本当にみんな個性豊かで面白いんです。スタッフ向けのイベントも頻繁に開催していて、茶道や和菓子作りを習いに行くこともあるし、この間はびん詰めに使わせていただいているお野菜の農家さんツアーにも行ってきました。

(神奈川県藤沢市で化学的な肥料や農薬を使わない農業をされている柿右衛門農園さんを訪問。明るく笑顔の素敵なおふたりと美しい畑に心が癒されました)

そもそも「個性がない人なんていない」と気づかせてくれたのが、ファームキャニングでした。千恵さんをはじめ、スタッフのみなさんがお互いの魅力を引き出しながら「みんな素敵だね」って個性を認め合う文化が自然と流れているんですよね。スタッフの誕生日も食卓を囲んでお祝いするので、一人一人が大切にされているなと感じます。だから、最高に居心地が良くて、楽しくて、このコミュニティにいると幸せ度が急上昇するのだと思います。

それから、みんな本当によく笑う!作業をしているときはもちろん、打ち合わせのときでも雑談に花が咲き、みんなで大笑いしていることも。一見無駄のような雑談が、実はとても愛おしい時間になっていて、仕事の帰り道、自転車を漕ぎながら思い出し笑いを必死に堪えることもよくあります(笑)そして、今日も楽しい1日だったなって思うんです。仕事場でおもいっきり笑うことは、わたしにとって最高の心の栄養になっています。

みんなでみんなの子どもを育てる

子育ても楽しみながらやりたいことに進むことができたのは、地域の子育てコミュニティの存在も欠かせません。

逗子に引っ越してきてから、上の子は認可外保育園「うみのこ」に、下の子は青空自主保育の「つくしとたね」に通わせています。どちらも子どもたちの「やりたい」を尊重してくれる素晴らしい保育所で、子どもたちは日々楽しそう。3歳まではなるべく子どものそばで成長を見ていたいという思いから下の子は保育園ではなく、週4日、9:30-13:30までの自主保育へ。ここでは保育者の他に、父母がお当番制で活動に入り、子どもたちの遊びを見守ります。

(青空自主保育の「つくしとたね」の活動場所は、園舎ではなく近くの海や山。子どもたちは自然の中でのびのびと遊び、日々逞しく成長していきます)

わたしも月に1〜2回お当番に入るのですが、見守っているうちに、我が子だけでなく子どもたちそれぞれの個性や見せる表情、日に日に成長していく姿に喜びを感じるようになっていることに気づきました。“自分の子ども”から、“わたしたちの子どもたち”のような感覚になっているんです。

急な用事で少し子どもを見ていてほしいときなどは、活動後に子どもたちを預かり合うことも頻繁にあります。最初は「預かってもらうと迷惑になるかな」「申し訳ないな」と思っていたのですが、いざ自分が子どもたちを預かってみると、まったくそんなことはなくて。子どもたちは友達が家に遊びに来てくれたら喜ぶし、他の親から「助かったよ、ありがとう」と言ってもらえるのは、わたしも嬉しい。それに、子どもたち同士で楽しく遊んでくれるので、むしろ家の掃除が捗ることもあります(笑)これってみんながハッピーなんじゃないかなって、預かってみて初めて気づきました。

また、近くに助け合える仲間がいる安心感からか、自主保育コミュニティではどんどん赤ちゃんが誕生しています。今年度だけでも4人の赤ちゃんが生まれ、中には6人目の赤ちゃんが誕生した家族も。私たちは夫婦とも実家が九州で、急用のときに実家を頼ることが難しいので、住んでいる地域に、子どもたちのことをよく知っていて「いつでも預かるよ」って言ってくれる存在がいることはとても心強いです。子どもたちにとっても、帰れるお家がいっぱいあるって絶対にいいですよね!

(この記事を執筆しているあいだも上の子の友達が遊びに来て、みんなで夜ご飯を食べてお風呂に入って、いっぱい遊んで帰っていきました)

愛のひとおし

畑や食から暮らしを楽しむコミュニティと、みんなで協力して子育てをするコミュニティ。この2つの地域コミュニティが、わたしの暮らしの幸福度を上げてくれ、今では欠かせない存在になってます。

そして、今期の畑クラブも3月で終了。今の畑クラブで使わせていただいている土地に家が建つ事が決まったのを理由に、4月からは、神奈川県逗子市から隣の葉山町に場所を移すことになりました。広いお庭とデッキ付きの家屋があり、四季折々の美しい姿をみせてくれる場所です。

そこでは「わたしたちのエディブルガーデン」をテーマに新たな畑クラブが始まります。新たにキッズプログラムも始まり、子どもたちが、お庭でのびのびと過ごしながら土に触れたり、畑で野菜を育てる体験をしたり、旬のものでお料理をしたり。食や暮らし、身近な自然を楽しむ活動内容です。わたしは、そこでリーダーを務めさせていただくことになりました。

新しい場所が決まった今年の1月。千恵さんと一緒に、素敵な場所から広がる未来をワクワクしながら話していたとき、千恵さんが「ひろこちゃん、キッズガーデンやりたいっていってたよね!ついにできるじゃん!もう思いのままにやっちゃいなよ!」と言ってハイタッチしてくれたんです。

「子どもと畑がつながる場所を作りたい」というのは、ナエドコ0期の最終発表会で掲げたわたしの夢。ファームキャニングに関わり始めた頃に、その夢を千恵さんに話していたのを覚えていてくれて、今回実現できることをこんなにも喜んでくれて、その愛にとても胸が熱くなりました。

畑や食、子育てのコミュニティがそこに関わる人の暮らしを豊かにすると確信した今、今度は自分がキッズプログラムという形でコミュニティをつくる側で幸せの循環をさせたい。そんな思いを胸に4月から始まる活動に向けて準備を進めています。

地域にピンとくるコミュニティがなかったら、友達と小さな畑を始めてみたり、ストーリーのあるおいしい食卓を囲んだり、近所のお父さん、お母さんと子どもを預かり合ってみたり、まずは知り合いから小さく始めてみたらいいと思う。幸せの循環がきっとそこから始まるから。

(4月から畑クラブ始まる新しい場所・SEE THE SUNにて、一緒に働く大好きな人たちと)

畑クラブメンバーもキッズメンバーも絶賛募集中!ご興味のある方はこちらから詳細をご覧ください。

ライター/hiroko 編集/ウィルソン麻菜

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