2020/07/16
「サボテンすら枯らすわたし」が選んだ、 ハタケと関わるための働き方【 畑の魅力伝道師 寺田賀代后 】
※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。
初めまして。大阪で八百屋を経営していますベジくるむの寺田賀代后(てらだかよこ)です。
ハタケト様でインタビューをさせて頂き、そんなこんなでわたしが畑の伝道師としてコラムを書かせて頂くことになりました。
「わたしらしく、ありのままに。」
をモットーに屈折しながらも真っ直ぐな記事をあなたにお届けできたらと思います。
寺田賀代后が経営するベジくるむとは?
簡単に言うとわたしの熱意、おせっかい、もったいない精神、人との絆が折り重なってできた組織です。
21歳で野菜に携わることを決意し26歳で独立。最中に色々ありまくって現在に至ります。
野菜を極端に愛しており、好きな人(野菜)と一緒にいたいという思いで4年間、野菜というに彼氏に振り回される彼女をしています。「惚れたもん負け」というのはこのことです。
そんな一癖も二癖もある八百屋がベジくるむ。結局、代表であるわたしの素性がもろにでている八百屋という事ですね。
選択肢は一つじゃない。自分で作っていける。
仕事をしている中でよく聞かれるのが「ご自身で畑されてるんですか?」というもの。満面の笑みでこう答えます。
「サボテンも枯らす女なので、畑はしません♩」
極端に野菜を愛してますが、自分では育てていません。こんなわたしが育てることができないと思っています。
飽き性でズボラ、作業苦手。根っからのめんどくさがり。百姓の素質を一つも兼ね備えていない逆ハイブリッド女。
では、農業ができないと畑に関わることはできないのか。
答えは「NO」です。
実際わたしは、大好きな野菜や畑に関わることができています。
もしあなたが「わたしに野菜作れるのかな…」とか、「自然と共存できるのだろうか…」と思っているなら
ここに選択肢を広げて自分の得意分野を前面に出しつつ好きな野菜と付き合えている女がいるぞと耳元で叫びたいです。
耳元で。
選択肢や答えは一つじゃない。自分で切り開いて出した答えを進んでもいいんです。
近道はすぐそばに。
その答えを出す時にわたしがとても大切にしていることがあります。それは
「自分を骨の髄まで理解してあげること。」
自分をよく理解することで自分の得意不得意・好き嫌いが明確になり、自分が楽しく生きていける近道を導き出すことができます。
理解するというのは個性や性格を理解するということだけではなく、心の声に耳を傾けて自分が今本当はどうしたいのかを聞いてあげるということも含まれます。
これって、意外と簡単にできるようでできないんですよ。
これは嫌な匂い、なんか苦手な物、感じているのに気づけない。
もしくは気づいてないフリをしてしまう。
「苦手な人だけど、得意先だから…」
心の声を無視して立場を優先する。
「眠たいけどお風呂入らなきゃ…」
欲求よりも日々のルーティンを優先する。
そんな心よりも頭を選んでいく積み重ねがどんどん自分の本来の感覚を鈍くしていきます。
そして、自分のSOSに気付いてあげられなくなります。
頭よりも心を優先する生き方
わたし自身、最初から自分を理解してあげながら生きていたわけではありません。
小さい頃から人の顔色を伺ってニコニコ。
派遣で入社した会社の歓迎会でセクハラを受けてもニコニコ。
納品先の店長に手を出されてもニコニコ。
腹が立ってもニコニコ。
ニコニコ、ニコニコ。
「相手の気分を悪くしたくない」
「自分の立場を悪くしたくない」
という頭が、自分の心を蝕んでいました。
わたしはベジくるむという自分のフィールドを作り、逃げられない責任を持たせました。
それが結果的にとてもいい環境になりました。
どんどん楽しくなりワガママになりわたしらしくなっていくのを実感しています。
初めからわたしは特異ではないのです。
昔から変わってると言われますし変な人に見えるとは思いますが…
数年前はストレス社会に揉まれ愛想笑いしかできなくなった女でした。
誰にでも可能性はあるし、誰にでも自由に生きる権利がある。
それを一番最初のコラムでお伝え出来たらなと思っていました。
用意された答えや、表面的な答えに従う必要はないのです。
ただし、自由に生きれるのはその自由に付随するすべての物事に責任を背負える覚悟があることが条件。
意外と1つか2つしかないと思っていたら
3つも4つも己で切り開けることがあるかもしれません。
このコラムがそんな切り開くキッカケになれたなら嬉しいです。
雨が続きますがお体ご自愛くださいね。
ベジくるむ 寺田賀代后
次回コラムは
「カメレオン」
「人格の上書き保存と名前をつけて保存」
がキーワードです。
お楽しみに♪
ライター/寺田 賀代后