2024/04/30
食べ比べから世界や人と繋がる!トマトめでたべ会
こんにちは。農業や食べ比べが大好きで、初めて聞く品種はつい手に取っちゃう、チームaiyueyoのもりまゆです。
第五回目となる今回のめでたべ会は、彩り豊かな“トマト”をめでたべしました。
日常でよく使うトマト。違いをじっくり楽しんだり、そのルーツに思いを馳せたりすることはあまりないのではないでしょうか。
ただ食べ比べるだけでなく、トマトを愛で、生産者の方の話を聞く。めでたべ会を通じて、今回はなんと世界や人と繋がっちゃう。そんなレポートをお届けできればと思います。
トマトめでたべ会とは?会の流れ
参加者さんの手元には事前にお品物が届きます。今回は箱いっぱいに5種類のトマトが詰まっていました。ツヤツヤのトマトに感動して、思わず会の前に摘んでしまう方も。「ほむすび」や「ウマロッソ」など、聞いたことがない品種名ばかりで、こちらも興味津々です。
今回トマトを提供してくださった絹島グラベルの長嶋智久さん、絵美さんご夫妻。絹島グラベルさんは、わたしたちaiyueyoがご用意している、生産者さんの愛や想いが詰まった「愛ごと贈る」フードカタログギフトのaiyueyo giftにも掲載させていただいている農家さんの1人です。
めでたべ会ではまず、トマトを観察して色や形・香りなどを楽しんだり、写真を撮ったりする「愛でタイム」がございます。そのあとは「食べタイム」で食べ比べです!そして、品種による特徴の違いを知り、生産者さんがお届けするこだわりをお聞きします。
いつも何気なく使っている食材にたっぷり時間をかけて思いを馳せることで、日々の暮らしが改めて愛おしく大切に思える瞬間です。
さあ、めでたべ会のはじまりです。
めでたべ会といえば!愛でタイム
めでたべ会では、まず「愛でタイム」を堪能します。
届いたトマトを実際に手に取って、形や大きさの違いを楽しんでみたり、香りを嗅いでみたり、写真を撮ってみたり。めでめでしつつ、思わず味見しちゃう人もちらほらいらっしゃるのはいつもの光景。
みんな大好き!食べタイム
愛でタイムを楽しんだ次は「食べタイム」です。何の前情報もなく、自分の感覚と向き合って、まずは食べてみる。皮の硬さや、ゼリーの量、甘味や酸味がそれぞれ違っていて味わいぶかいです。わたしは、パリッとした皮の食感と口に広がる甘さが印象的な「サンタスティ」にやみつきになってしまいました。
「かれんが美味しい!」「ウマロッソがジューシーで味わい深いね」と、参加者同士でお話しながらぱくぱく、もぐもぐ。他の方の生の感想がその場で聞けるのも、めでたべ会の醍醐味だなと感じます。
生産者から聞く!たっぷり品種紹介
一通り食べタイムを満喫したところで、長嶋さんから品種紹介をいただきました。
絹島グラベルさんでは年間を通して8品種のトマトを栽培されており、そのうち今回食べ比べしたのはなんと5品種。大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトが勢揃いでとっても豪華です。
なかでも印象的だったのは、お尻がつんと尖った「ほむすび」でした。品種紹介の紙に「豊かなアロマ」と書いてあったのですが、「アロマ」は「香り」と違い、トマトを噛んで飲み込んだ後に口に残る香りのことだそうです。「ほむすび」はイタリア系の血が入っているイスラエルのトマトで、ヨーロッパや中東の方は、トマトに限らず、ワインのように「アロマ」を大切に味わう方が多いそうです。食べた後の感覚に意識を向けたことがなかったので、驚きとともに、これからは食べる時に気にしてみたいな、と思いました。
また、縦に長く色が少し淡めの「アルティメット」は、そのまま食べるとやさしい味わいですが、加熱して食べるとより美味しいとのこと。説明の途中にトースターへ走る方が続出しました。私も思わずチーズ片手にトースターへ。確かに、生のまま食べるより、味がぎゅっと濃くて甘くなりました。
今回届いたトマトには、ヘタがついている品種とヘタがついてない品種がありました。基本的に、トマトは「ヘタがついているもの」の方が鮮度が落ちにくくてよい、と思っておりましたが、収穫する手間を取らせないために、あえてヘタが外れやすくなっている「ジョイントレス」というタイプもあるそうです。
また、オランダではこどものおやつとして、スナック菓子の代わりに野菜を食べてもらうための政策を進めており、品種改良に多額の資金を投じているそうです。だからこそ美味しいトマトがたくさんあるのだとか。トマトを通じて世界と繋がるきっかけにもなるなんて面白いなあと思いながら、食べ比べを進めました。
ここからさらに、智久さん、絵美さんの深堀りタイムに移っていきます。
ご夫婦で「やりたい」気もちを大切に。農家へ転身
智久さんは、元々はパソコンの修理販売をされていましたが、実家に農地があったこともあり、いつかは農業をやりたいと思っておられたそうです。1人で作業できる品目を検討した結果、トマトに辿り着きました。智久さんがトマト農家になる、と言った時は絵美さんもびっくりされたそうですが、人生においてやりたいことが見つかるって大事だと思い、賛成されたそうです。なんて寛大で、素敵な理由でしょうか。
そんな絵美さんも「やりたい!」という気持ちを大切に、レモンの栽培をはじめ、今年で収穫3年目だそうです。夫婦お互いがやりたいことを応援しあえる、あたたかくて素敵なご夫婦だなと感じました。
栽培をとことん追求。今では唯一無二の個性に
トマトは「トマト」ではなく、品種の名前も一緒に売っていることが多いですよね。例えば、「桃太郎」や「アイコ」などの有名な名前は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、今回の食べ比べのトマトは、初めて聞く品種ばかりだったかと思います。
実は絹島グラベルさんでは、日本で殆ど取り扱っていない、ヨーロッパやイスラエル系のトマトを中心に栽培されておられます。
大規模トマト農家が多くいる産地で、生産規模が決して大きくはない絹島グラベルさんの農場では、個性を出すために、オランダの中玉トマトを中心に栽培を始められました。途中、トマトの伝染病をきっかけに、病気に強いイスラエルのトマトも取り入れられたそうです。イスラエルのトマトを商品として扱っている農家は国内で片手ほどで、スーパーにはなかなか出回っていません。ここまでくるのにたくさんの過程があったことが伺えました。
お母さんたちと心地よく働き、ともに農園をはぐくむ
絹島グラベルさんでは、子育てのお母さんを応援する勤務体系が特徴的です。休日、大型連休、行事がある日はお休み。勤務当日、お子さんが急に発熱したときも気兼ねなくお休みできる体制を取っています。
(詳細はこちらの過去の取材記事をご覧ください)
長い間PTA活動をなさっていた智久さんは、一生懸命働きながらお子さんを育てるお母さんをずっと近くで見ていたこともあり、パートの皆さんが心地よく働ける環境を整えたかったと仰います。
そんなパートさんとの関係性が素敵だなと感じたエピソードをお聞きしたので紹介します。
今回めでたべ会にも登場している「アルティメット」はイスラエルの品種で、日本の風土に合っておらず、産地で育てるより実の量が少なく、色も薄く、あまり旨みがのってないと智久さんは思っていたそうです。
しかし、トマトを持ち帰ったパートさんが「焼いて食べたらおいしいよ!」と大発見。日本の風土だからこその味わいになっていたそうで、今では定番の食べ方に。
智久さんがともに働く皆さんのことを考えているように、パートの皆さんもどうやったらトマトを美味しくお届けできるか考えていらっしゃる、あたたかな目線が伝わりました。
まとめ
トマトの食べ比べを通じて、品種の違いだけではなく、世界の事情や人との繋がりをも知る贅沢な時間を過ごす事ができました。我が家は1人での参加でしたが、参加者とともに小さな応援団がぱくぱくトマトを頬張っているところにも癒されました。
Xで #めでたべ会 と検索してみると、参加者のみなさんの楽しんでいる様子がたくさんございました。みなさんそれぞれの目線で楽しんでいたのだな、と改めて投稿を読んで思わずにこにこしてしまいました。
絹島グラベルさんのトマトは、aiyueyoギフトでお楽しみいただけます。
農園の日々の様子は、ぜひInstagramをご覧ください。
aiyueyo giftは、愛を贈ることをテーマにしたフードカタログギフトです。 食の作り手が大事に育てた農産物を食べやすい形で。畑から食卓までの全ての過程にめいっぱいの愛を注いで、あなたの気持ちを大切な方へお繋ぎします。
めでたべ会とは
「生産者さんの想いやこだわり、生産方法、種類ごとの違い・・・食材がもつストーリーをさまざまな角度から掘り下げて、その上で五感をつかって愛でながら味わう。そうすることで普段何気なく行っている「食べる」という時間がもっと愛おしいものになるのではないか・・・?」
こんな発想からうまれたのが、旬の食材を愛でて食べて、心とお腹をごきげんに満たす食の体験会である“めでたべ会”です。
まずは目で見て楽しんで、食べ比べる。そして食材のストーリーを知った上で、生産者さんの愛ごと味わう。家族や友人と一緒なら、それぞれの感想をシェアして楽しむこともできる。旬の食材を通してワクワクする時間を過ごし、みんなでごきげんになろう!という企画です。
ライター/もりまゆ 編集/あっつん