自分らしくごきげんに生きる人を応援しているaiyueyo。今回はご自身だけでなく周りにいる人々もごきげんにしてしまう、ある農家さんをご紹介します。

「みんなと笑い合う時間が大好き」「いろいろな方が気軽に来れる畑にしたい」

そんな想いを抱いているのは、東京都三鷹市にある冨澤ファームの4代目・冨澤剛さん。100年続くこの土地で、年間を通じて約40種類の野菜を育てながら、畑に興味を持つ人々を畑に迎え入れてきました。いつも笑顔が溢れている冨澤ファームを、今日は一緒にのぞいてみませんか。

ごきげんな人々が集う、畑のオープンキャンパス

「畑で何を作っているんですか?」と尋ねると、「笑顔を作っています」とニコニコ答える冨澤さん。野菜だけでなく、人が笑顔になる”場づくり”も大切にしているんだそう。

(農家でありながら短大講師を務めたり、加工品を作ったり。幅広く活動されています)

そんな冨澤ファームでは、2022年1月から「畑のオープンキャンパス」を開催しています。毎月第4土曜日に畑を開放し、援農として農に興味を持つ人を広く受け入れてきました。

これまで28回行われてきた畑のオープンキャンパスには、学生や社会人、子連れの家族、定年を迎えた方たちなど、毎回20〜30人のメンバーが集まるようになりました。

お手伝いする農作業は季節によってさまざま。種蒔きや苗を植える準備、野菜の収穫、畑の片付けなど、初めての方でもできる作業をみんなで一緒に行っています。荒天時は、ビニールハウスなど室内の作業をメインに行います。

(この日は、育ちすぎた大根を引き抜く作業)
(初めて援農に訪れたという会社員の男性ふたり)

初めての方も常連さんも混ざり合い、楽しそうに交流している姿を冨澤さんは嬉しそうに見つめています。

畑のオープンキャンパスがアップデート。知恵を交換し合う”学びの場”へ

さて、2周年を迎えた畑のオープンキャンパスは2.0へとバージョンアップ。援農に加えて、みんなで学び合うサタデーカレッジの要素も加わります。どんなイベントになるのか、様子を見てみましょう!

記念すべき2周年の日は気持ちのよい快晴。朝9時に参加者が集合し、午前の援農がスタートしました。まずは収穫が終わったキャベツやブロッコリー畑を片付ける作業に取りかかります。冨澤さんの説明を聞きながら、みんなで手を動かしていきます。

収穫が終わったキャベツの片づけ。残った葉や根をみんなでバケツリレーのように運んで片づけます

一人でやると何時間もかかる作業が、多人数でやるとあっという間に終わります。

続いて、コンポストで作った堆肥を畑に蒔く作業です。

(地域の落ち葉をもらい、コンポストでつくった堆肥)
(みんなでおしゃべりしながら堆肥を畑にまきます)
(採れたてのネギを袋詰めするメンバーも)

青空の下でおしゃべりをしながら身体を動かしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。

午前中の援農が終わり、お昼の時間です。毎回、参加者に賄いが振る舞われる畑のオープンキャンパス。今回は2周年とあってスペシャルメニューが用意されていました。

(規格外野菜などを使ったカレーや、里いものポタージュなど)
(ビニールハウスの中で。外ではお肉を焼いてバーベキューもしていました)

おいしいお昼をいただき、午後は「食について熱く語る会」。今回から新たに加わったサタデーカレッジの部がスタートします。

農家支援や食品ロスをテーマに活動しているeat fortabeloopの方をゲストに招き、みんなで食への想いを語り合いました。

(「食べることが、社会貢献に。」をテーマに活動しているeat for)
(食品ロスに取り組むtabeloop)
(どうすれば食品ロスはなくなるのか?などをテーマに、取り組んでいる活動についてお話していただきました)

参加者からは「会場にはポジティブなエネルギーが渦をまき、神回だった」「とても楽しくて、帰ってからも興奮していた」という感想が寄せられておりました。サタデーカレッジのイベントは、これからも数ヶ月に1回開催する予定だそう。次はどんなテーマの会が開催されるのか、とても楽しみです。

冨澤さんのごきげんが、みんなに広がっていく

どうして冨澤ファームには、いつもごきげんな空気が流れているのでしょうか。それはきっと、冨澤さんの温かさが作り出しているものなのかもしれません。

これまでに参加者たちが聞いた、冨澤さんが畑でポロッとこぼした言葉たちをご紹介します。

せいさん(30代)20人ほどで玉ねぎの雑草抜きをしていた時。「みんなでやると効率がいいですよね」と声をかけたところ「効率というより、楽しいんですよね。おしゃべりしながらやると、それだけで楽しいじゃないですか」とお話しされていてハッとしました。「効率」ではなく、まず「楽しさ」を大切にされていて素敵だなと思いました。

やまくぼさん(30代):むすめが1歳半の時に初めて援農に参加しました。むすめは土で遊んでばかり。「全然お手伝いできなくてごめんなさい」と言うと「みなさんが土を触ってリフレッシュしてくれたら、それだけでぼくは嬉しいですから」と笑顔で言ってくださり、冨澤さんの温かさに感動。自分のペースで楽しませていただきました。

中には、冨澤さんと仲良くなり、畑のオープンキャンパスの運営をお手伝いするようになったメンバーもいます。

高橋さん(20代):冨澤さんは栄養士の学校の先生でした。授業を通して仲良くなって、冨澤ファームに通うようになり、気付けば畑のオープンキャンパスの賄いを作る“賄い部長”に任命されました(笑)自分が作ったものを、みなさんが目の前で美味しいと言ってくれるのが嬉しいですね。冨澤さんはいつもギャグをたくさん言って笑わせてくれるので、自然体で楽しませてもらっています!

冨澤さんご自身が楽しむことを大切にされているからこそ、参加者のみなさんもありのままにのびのびと楽しめるのかもしれません。

たくさんの人に囲まれて、一緒に笑い合うのがぼくの幸せ

畑と共にごきげんに生きる冨澤さん。最後に、畑のオープンキャンパスに対する想いをお聞きしました。

── 畑のオープンキャンパスを始めてから、どんな変化がありましたか?

冨澤さん:これまでたくさんの方をお迎えしてきて、畑のオープンキャンパスは120人くらいの方がゆるく繋がるコミュニティになりました。参加者同士が仲良くなったり、援農の日以外にもお手伝いに来てくれる方がいたりして、大切な繋がりが増えましたね。

── どんな方でも、気軽にお手伝いに参加できるのが素敵ですね。

冨澤さん:たくさんの人に囲まれて笑っている時間が大好きなんです。農業は人を笑顔にする手段だと思っているので、こうやってみんなが楽しんでくれるのが本当に嬉しいんですよね。「こんなことやりたい!」と言っているメンバーがいれば、全力で応援します。

── 人を受け入れるだけでなくチャレンジも応援してくれるんですね!

冨澤さん:畑のオープンキャンパスの常連さんの中に、食材スタイリストとして独自の料理研究家の道を進んでいるみーるさんという女性がいます。彼女と一緒に冨澤ファームの野菜を使ったパウンドケーキを開発したり、彼女が作ったお菓子を畑のオープンキャンパスの会場で販売したり。こんな風に、若者の背中を押すのが好きなんですよね。

(「冨澤さんは、新しい挑戦をすごく応援してくれるんです。心が温かくなって、もっと頑張ろう!と思えます」と語るみーるさん)

── 素敵です。これからはどんな活動をしていきたいですか?

冨澤さん:みなさんのやりたいことをお互いに応援し合い、楽しんでいきたいですね。みーるさんと一緒に作ったパウンドケーキもリニューアル中ですのでお楽しみに!

お節介なタイプなので、若手のチャレンジもどんどん応援します(笑)みんなの知恵を交換し合う、学びの場ももっと作っていきたいですね。

ぼくはとにかくみなさんが楽しそうにしているのを見るのが好きなんです。最期を迎える時に「楽しい人生だった!」と言えるように、これからもごきげんな人が集まるコミュニティを作っていきたいですね。

次のオープンキャンパスは4月27日。その次は5月24日です!ぜひお問合せくださいね。

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INFORMATION

冨澤ファーム

冨澤ファーム

東京都三鷹市で4代続く農家。「食・農を通して笑顔の場と機会を創造する」を経営理念に、80アールの畑で年間約30品目の野菜を栽培する。
毎月第4土曜日には畑のオープンキャンパスを開催して援農を受け入れている。
園主の冨澤剛さんは、三鷹市認定農業者、野菜ソムリエ、江戸東京野菜コンシェルジュなど多数の資格を保有し、短大の非常勤講師も務める。