2021/11/19

ハタケの命を買い叩かない。フルーツビールを通して成し遂げたい農産物の価値の再定義【 畑の魅力伝道師 ゆるみな 】

※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

野菜の価格高騰で家計がピンチだというニュースをテレビの報道が取り上げていた。

原因は8月中の長雨により日照不足となり、野菜がうまく育たず収穫量が落ち込んでいるから。

レタスや白菜などの葉物野菜は日照不足の影響を受けやすく、スーパーで見かけると例年の1割くらい値段が上がっている。

(引用元:あなたの静岡新聞)

けれど、決してスーパーに並んでいる野菜たちが高いとは思わない。

寧ろ、物価があがり人々の生活水準が高くなっている中でよくここまで値段を抑えて提供してくれているなと思う。

春になると種を蒔き、夏には間引き、秋に収穫して、冬を迎える。

365日休みなく畑に顔を出し、野菜たちと対話するように愛情込めて育てる農家さんの仕事を目の当たりにしたら「野菜は高い」なんて虚言を吐けるだろうか。

BEERfulは先月の10月6日から3ヶ月間、東京駅直結の東京の一等地にビルを構える大丸東京にて出店を試みた。

国内外問わず、多くの人が訪れる歴史ある百貨店にBEERfulの商品を展示してもらえることになった経由と出店に踏み込んだ理由がある。

昨年にD2C事業者を集めたオリジナルラボというコミュニティをD2C事業の先駆者であるFabric Tokyoが立ち上げた。

その第一期生としてBEERfulは参加し、協賛企業として参画していた大丸松坂屋の方と出会った。

大丸の方から「売らない店舗」の構想を聞いたとき底知れぬわくわく感に満ちオープン店舗として出店をしたいと強く願った。

飲料メーカーで唯一、売らない店舗「明日見世」に出店した。

道の駅やスーパー、それに居酒屋さんなどには一切卸していない。

BEERfulが商品を提供するのは、ワンランク上の特別な空間や商品の価値を理解し安売りしない店舗さんだけ。

なぜ、そんなハードルの高いことをするのか。

それはハタケの命を買い叩かないため。

商いをする上で、避けて通れないのは原価率。

BEERfulの商品の特徴は規格外農産物を使用することだが、「規格外」だからといって生産者さんから無償で提供してもらうことはない。

きちんと農家さんから提示された金額で買い取っている。

醸造に関しても決して値切ることはなく、職人さんの技術を信頼しているからこそ言い値で受けている。

消費者にとって、できるだけ安い方がいいというのは間違いではない。

わたしも安いものを選ぶ時もある。

しかし、BEERfulの商品は安さで選ぶクラフトビールではなく大切な誰かのお祝いに、いつも頑張る自分のためのご褒美に選ぶものなのだ。

だから商品自体のブランド価値を高めてくれるような場所に置きたかった。

大丸東京は東京の顔と言える東京駅直結の百貨店だ。歴史も長く、今までもこれからもお客様に愛されてきた素晴らしいお店だ。

BEERfulは一流を追求し、常にプロフェッショナルな職人や農家さんと共に成長していく。

そのために、一流とはなにかを追い求めながらファンの皆様と共に成長していけるブランドをつくっていきたい。

「規格外」と呼ばれる農産物界の異端児は、世間が思うほど安っぽい存在ではないのだ。

ライター/ゆるみな