2023/02/22
デザインで未来につなぐ。魅力を伝える入り口をつくりたい
「サラヤと愛ある暮らし」連載では、人と地球の両方にやさしい暮らしを探求するサラヤ株式会社と一緒に心地よい日用品の選び方を見つけていきます。
今回お話を伺ったのは、もんちゃんこと前田紋華さん。現在大学4年生で、フリーランスとして活動をしています。デザイン、マーケティング、コミュニティ運営の仕事をしながら、自身が体感している食の魅力をデザインで伝えるために日々修行中。
「旅するおむすび屋」、「ミライモ」の活動を通して生産現場をみるなかで、環境に配慮した選択を「なんとなく」ではなく意思をもってするようになっていったと語ります。
1日最低1回。心を満たす”食”時間をつくる
── 「食」と「デザイン」をテーマに活動しているもんちゃん。食事はどのような時間ですか?
もんちゃん:食事は自分のコンディションを整える「リセット」の時間になっています。仕事のことを考えながらとか、スマホを触りながらご飯を食べると「あれ、わたし今何食べたっけ?」と思うくらい、いつのまにか食事が終わっていることってありませんか。そうではなくちゃんと味わうことを意識すると、食事でお腹も心も満たされて、コンディションが整うと思うんです。
── 例えば、どんなことを意識しながら味わうんですか?
もんちゃん:わたしは全国の生産者さんと会う活動をしているので、知っている人の食べものが食卓に並ぶことも多いです。生産の背景や作り手の顔、お人柄を思い浮かべながら味わうと、おいしさの感度があがります。例えば、元気になりたいときには「元気な生産者さん」の食材を選ぶと元気も補給できるように感じます。味わいながら食事をして、自分の状態を「リセット」することで、また前を向ける気がするんです。
もんちゃん:食って栄養だけでは語れない豊かさが得られると思うんです。だから、時間がなくて食事にちゃんと向き合えないときは、かきこんでお腹を満たすことよりも、食事の回数を減らして1回でも大切に味わうことを選びます。1日最低1回、豊かさを意識して味わう。そうすると、食事は心を満たす大切な時間になるんです。
── 食事の豊かさに目を向けるようになったきっかけは?
もんちゃん:両親は仕事、自分はスポーツで忙しく、祖母が料理をしてくれた時期がありました。祖父が畑で作った野菜や果物を祖母が料理して食卓にのるんです。食事に気を遣っていなかったわたしも、「この野菜、おじいちゃんが作ったんだな〜」「おばあちゃんが作るご飯おいしいな~」としみじみ感じて。お腹を満たす以上に食で豊かさを感じる最初の体験となりました。
おいしさをつないでいく選択へ
── 食の豊かさを感じているもんちゃんが、環境について考えるようになったきっかけは?
もんちゃん:「旅するおむすび屋」の活動で自然環境と向き合っている生産者さんの話を聞き、わたしに何かできることはないかと考えるようになったことです。生産者さんたちが作ってくれている、このおいしい食べ物を食べ続けられるようにしたい。そのために、できるだけ環境に配慮した選択をしようと思いました。
コロナ禍のひとり暮らしで孤独を感じることが多かった時期があります。でも、出会った生産者さんのことを思いながら食事をいただくときや、環境へ配慮した選択をしたとき、「自分は一人ではない」って感じて。意思をもった選択をすることで、誰かとのつながりを感じることができるんです。
── ヤシノミ洗剤を愛用されているのも、そうした環境への配慮からですか?
もんちゃん:そうですね。環境にやさしいものがいいなと思って、最初はなんとなく気に入って使い始めました。実は、最近までヤシノミ洗剤から離れていたんです。友人からプレゼントでたくさん洗剤をもらったり、ひとり暮らしをやめていたので。でも今回、「アデリアレトロ」の限定パッケージの話を知り、再び手に取りました。一般的な食器用洗剤は色がきつく主張が強いですが、ヤシノミ洗剤は暮らしになじむ感じが好きです。
魅力を伝える入口をデザインする
── 「アデリアレトロ」の限定パッケージの印象は?
もんちゃん:一目見て「かわいい!」と心が弾みました。アデリアの昭和レトロなデザインは、平成生まれのわたしにとって新鮮です。新鮮で、かわいい。こんなデザインのプリントグラスが昭和の食卓を彩っていたんだなあって、あたたかい気持ちになります。デザインは、わたしの生きてこなかった時代の価値観や魅力を今に伝えてくれる入口になっているんです。
── 魅力を伝える「入口」ですか?
もんちゃん:わたしにとって、デザインは通訳なんです。伝えたいことをそのまま出しても受け取ってもらえない場面があると思いますが、わたしが介在することによってデザインでその魅力が伝わるようにしたいと考えています。
例えば、以前、日本酒のパッケージデザインの相談を受けたことがあります。そのとき「若者の日本酒離れ」と聞いたのですが、若い人は「離れた」のではなくまだおいしい日本酒に出会っていないだけでは、と感じました。若い人の目に留まるようなパッケージデザインにすれば、日本酒の魅力に出会う「入口」になると思うんです。
わたしは縁あって生産現場をみる機会が多く、生産者が手間をかけて大切に育てている様子やそこで作られている食材のおいしさを知ることができています。でも、誰もがそんな機会があるわけじゃないですよね。魅力に出会ってもらうためには、値段でふるいにかけられる前に、その商品を直感で魅力的に感じてもらうことが必要だと思っています。
まだ修行中ではありますが、伝えたい魅力を未来へつないでいくため、わたしのデザインを活かしていきたいです。
(インタビューはここまで)
昭和レトロの魅力を今に伝える「アデリアレトロ」と、食材の魅力をデザインで伝えたいというもんちゃんの考えが重なりました。自分の体験から考え行動するもんちゃんの言葉は力強く、一つ一つの選択に意思を持っていることに刺激をもらったわたし。今後、日常の何気ない選択をするときにも、未来へどうつながるかを考えたいと思いました。
同じボトルを長く使ってもらう方が地球にやさしいから。サラヤがヤシノミ洗剤のボトルのデザインに力を入れる背景には、地球への想いとそれを未来につなぐ意思があります。「アデリアレトロ」限定パッケージは全国のスーパー・ドラッグストアにて数量限定発売中です。※一部取扱いのない店舗もあります。
ライター/のぞみん 編集/あんどうまりこ