
2025/04/25
あいまいな消費者ではなく、そこには生活者がいました
「いのちを、めでる はぐくむ わかちあう。」をテーマに、自分らしい持続可能な暮らしと仕事を育むことを応援するaiyueyo。aiyueyoでは、個々がすでに持つ想いや強み・個性を活かしたお商売の形を「ナリワイ」と呼んで、自分らしいナリワイを生み出すことを応援しています。
2024年の8月〜10月の3カ月にわたって、ナエドコ10期を開催。
14名の参加者が、愛本主義をベースとした自分らしい働き方・暮らし方を始めるために自分と向き合い、仲間と共に”らしさ”のタネを芽吹かせました。
今回は、ナエドコ10期に参加したハナウタカジツさんに受講後の体験談を聞きました!
「顔が見える生産者」と「顔が見えない消費者」
私は熊本県で果物農家をしており、インターネットを使って、果物をお客さまに販売しています。
これまで、お客様との注文や発想のやりとりはテキストで行ってきました。
果物を販売するなかで、より親近感を持ってもらうために「顔が見える生産者」というキーワードがあります。
農家さんはSNSで、「農産物の成長」や「人となり」がわかるような発信をしています。
ただ、お客さまのことは どこにお住まいかくらいしかわかりません。
やりとりのなかで、どんな方か想像することしかできません。
そこで、aiyueyoには食べることが好きな方がたくさんいると知人から聞いていたので、どんな方がいるのか深く知りたいと思い、受講を決めました。
また、簡単なオンライン打ち合わせであれば日中農作業をしながらスマホで繋ぐことができますが、深く思考するためにも、ナエドコの時間は講義に集中したかったので、農作業が終わった後の夜の開講はうれしかったですね。
ナエドコ。
そこには、30代/女性/関東在住というあいまいなイメージの消費者ではなく、悩みも趣味もさまざまな生活者がいました。
成果は遅れてやってくる
ナエドコの講義の中で出てきた、「遅延指標」という言葉が印象的でした。
果物の経営は、収穫が終われば 次の収穫は1年後になってしまいます。
その間の農作業では、1円の収入もありません。
ただ、果物を育てていると目の前の努力が先の収穫につながっていることを体感しています。
成果は遅れてやってくる「遅延指標」という言葉に、私の体感を言語化してもらえた気がしました。
一方、支出は毎日続きます。
これまでなんとか生きてこれましたが、自然災害や社会情勢などこれからより不安定になってきそうです。
お金の講座では、めんどうだと見て見ぬふりしていたものも、よくよく見てみると案外複雑でなかったり、時間がかからなかったりといった気付きがありました。
また、いくらあれば生活できるのかを改めて振り返ることで、支出が続いた際の不安が少し晴れました。
これをきっかけに、農業経営をしていく中でも、経費を一度棚卸しして改善できるところはないか調べてみます。
また、講義以外でも、宿題の進捗を相談する集まりもありました。
私は社会人経験がないため、世のなかの働き方の常識に乏しく、ナエドコのなかで日程調整や会議の進行など ノウハウの片鱗を垣間見ました。
おせっかいのいいわけを探している

思春期のボクは、家業の農業をなんだか恥ずかしく思っていて。
帰りが遅くなり、親に軽トラックで迎えに来てもらっても、少し離れたところに停めてもらい、そそくさと乗り込んでいました。
農業以外への夢がいっぱいでした。
ただ、飽きっぽくて人のことが気になり「おせっかい」ばかり。
何をするにも中途半端でアレがコレがと出来ない「いいわけ」を並べることに一生懸命で、気付いたときには「何者にもなれず」フリーターになっていました。
仕方なく、なんとなく農業を手伝う。
そんななんとも情けない農業人生のはじまりでした。
農業をしていると、さまざまなことが起きていきました。
学生が農業研修にくれば「教師」になれた気がしました。
ケーキ屋さんに果物を使ってもらえば「ケーキ屋さん」になれた気がしました。
今、ハナウタカジツは果物をきっかけに、子どものころの夢がひとつひとつかなえています。
今回、ナエドコを通してaiyueyoさんに参加することで「まだ見たことがない」ものを見るために「何者にかになる」ために「おせっかい」する「いいわけ」を探しています。
ぜひ、みなさんにおせっかいをさせてください。