※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

それは遠いむかし。いつの日かに見た、映画のワンシーン。

銀座の一等地にお店を構える有名なブランドスーツを着た男性が、高級車に乗って彼女を迎えに行く。

夜景の見えるフレンチレストランで、シャンパングラスを傾け、美しく盛り付けられた料理が次々と運ばれてくる。

楽しそうにはしゃぐ彼女の顔とは反対に、どこか落ち着かず固い表情の男性。

最後に出てきたデザートプレートには「marry me」のメッセージが添えられていて、驚く彼女の前に跪いて手の甲にキスをする。

スタッフが持ってきた大きなバラの花束と、右ポケットに潜ませていた指輪を差し出し、「結婚してください」と真剣な眼差しで伝える姿に溢れる涙を抑えきれない彼女の様子。

そんなロマンチックで、文字に起こしただけで胸焼けしてしまいそうなプロポーズのシュチュエーションを夢見ていた少女時代が私にもあった。

「将来の夢はお金持ちと結婚して、専業主婦として大好きな料理やお菓子作りをたくさんすること❤︎」

そんな夢物語な理想を友達と話していたこともあった。

自分の中にあるエゴを目一杯、愛でる

しかし、私も来月でもうすぐ26歳を迎え、自分にとっての幸せとはなにであるのかを少し理解できるようになった。

今でもロマンチックなプロポーズに憧れがあることには変わりないが、必ずしもそれが「プロポーズされる側として」なのかというと答えはノーである。

好きな人に好きですと伝えるのも、結婚したい人に結婚してくださいと申し出るのも、女性からしたっていい。

もし、自分が好きな相手にプロポーズをするとしたら果たしてバラと指輪を渡すだろうか。

きっと薔薇に興味なんてないし、大きな宝石のついたマリッジリングよりも世界に一つしかないシンプルなデザインの指輪の方が彼は好きだろう。

夜景の見えるフレンチレストランでシャンパンを交わすよりも、家で手作りしたごはんを食べてビールを飲む方が喜んでくれる。

私が苺花一愛という商品を作るきっかけは、自分の小さなエゴから始まった。

五感で伝える、新しい愛のカタチ

今からちょうど2年前の2月。

偶然足を運んだ友人のパーティーで1人の男性に出会った。初めて出会ったその人の第一印象は、とても儚く、今にも壊れそうなくらい寂しそうに笑う人。

何を話すわけもなく、時間だけがすぎたあの日。二次会にうつる人混みの中、私はその人と2人、こっそりと抜け出し一軒のバーに入った。

ジントニックを飲みながら自分について、価値観について、今やってることについて、答え合わせをするように話した夜。

確かめるようにこぼれる言葉、優しく微笑む表情、隠しきれない孤独感。彼のことをもっと知りたいと思うまでに時間はかからなかった。

彼はすごく寂しい人だった。気づけば彼に惹かれていた。

私よりもうんと優秀で、仕事もできる人間力の高い人なのに、いつもどこか居心地が悪そうで、社会に対して不満を孕んでいて。

常に生きる理由を探しているようだった。

目の前にいるのに、心はどこか遠くにあって、触れているはずなのに、意識は別の世界にあるような。

彼を孤独から救うために、私にできることって何だろうか。

考えて、考えて、考えて。考えても答えは見つからなくて。

悩んでいるだけでは何も変わらなかった。だから、決めた。

今の自分にできる最大級の方法で「愛」を表現しようと。

私にできること。それは世の中に新しいクラフトビールを生み出すこと。

私は、クラフトビールで想いを表現できる。

言葉よりも、もっとずっと説得力のある。

目に見えて、鼻で嗅げて、耳で聞いて、口で味わって、手で触れることのできる“愛”のかたち。

愛のかたちはいくつあってもいい。

一世一代の愛を伝える手段は、指輪じゃなくたっていい。

相手が心の底から嬉しいと感じるものを選ベるように。

私が「苺花一愛」を作った理由。

それは、愛する人に言葉では表す事のできない“愛”を体現的に表したかったから。

健やかで、楽しく、飲んでもらえる量とアルコール度数

苺花一愛をつくる時、好きな人と飲むシーンを想像した。

休日の昼下がり、テラス席にはローストビーフ、シーザーサラダ、カルパッチョ、それにイチゴの乗ったショートケーキが並ぶ。

甘さ控えめのすっきりとした味で香りが華やかな苺花一愛で乾杯。

2人はお酒を頻繁に飲むわけじゃなく、特別なときに、少し嗜む程度。

当然、大切な人にはいつまでも健康で長生きして欲しい。

苺花一愛のアルコール度数は8%で、量はひとり一杯250ccを想定。これは成人が1日に接種していい純アルコール量が20gといわれているため、少し抑えめに。

高めのアルコール度数で、少量でもほんのり顔が火照って気持ちもほぐれ、「お酒の力を借りて勇気を出して気持ちを伝えることができた」そんなエピソードが世界で一つでも多く生まれるお手伝いができたら、と思っています。

苺花一愛がある愛あるストーリーをお持ちの方は、今度ぜひ教えてくださいね。

ライター/ゆるみな

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