※畑のそばの、豊かな暮らし発掘メディア「ハタケト」は、2022年9月1日より愛食メディア「aiyueyo」にリニューアルしました。

このマガジンは「畑のそばに生きる様々な人」と「その暮らし」の紹介を通じて、皆さんと一緒に生き方の選択肢を再発掘していくメディアです。

花粉が舞い始める3月。マスクとメガネが外せない人も多いのではないでしょうか。

今回は、物語から生まれるクラフトビールブランドBEERFul代表のゆるみな。が連載するコラム第2弾をお届けします。

連日、ウイルスに関するニュースが流れ、自粛モードが漂う日本。
イベントやテーマパークなどのエンタメが続々と休止され街に活気がない今日。

「なるべく外出しないように」という警告はいつまで続くのでしょう。せっかくの春休みも、人混みが怖くて一日中お家の中でスマホとにらめっこ。

…なんて人も少なくないと思います。

しかし、こんな時だからこそちょっと足を伸ばして外の世界を楽しむという選択肢を選んでもいいのではないでしょうか。

今回は、果物狩りに30回以上訪れたことがある自称フルーツハンターの私が、いちご狩りの魅力を紹介します!

いちごの「畑でしか出会えない表情」

私が何度も農園に足を運ぶ理由。
それは「畑でしか出会えない表情」を見つけられるからです。

先月、新婚旅行の道中で「いちご狩りに行こう」と旦那を誘いました。

夫はいちご狩りの経験がなかったということもあり「楽しいの?」という雰囲気で、あまり乗り気ではない様子でした。けれど旅館のチェックインまで時間があったため、「まぁ行ってみようか」と言ってくれました。

そして当日の朝、夫は「4パック分食べるぞ」という感じで。「いちご狩り=食べ放題」という価値しか気づいていませんでした。

私は心の中で「醍醐味はそこじゃないんだよなあ」と思ったものの、体験してその価値を感じて欲しいという気持ちを込めてその一言を飲み込み「たくさん食べられたらいいね!」とだけ返事をしました。

いちご農園は、住宅街を抜けたところにあるハウスで営まれていました。

たくさんのいちごを目の前にして、目をキラキラさせる私と夫。

あまり乗り気じゃなかった夫も、いちご狩りの醍醐味である「デコボコしているけど大きな完熟いちご」を見つけると「なにこれでかっ!」と驚いて笑顔を見せてくれました。

お店で売られているいちごは流通に乗せるため、完熟一歩手前での収穫が一般的。けれど、観光農園では収穫をいまかと待ち望んでいる、「完熟」のいちごが食べられるのです。

そして完熟の特徴は、ヘタが上に跳ね上がっていること!

市販のいちごを思い出してみてください。ヘタはいちごに沿って垂れていますよね。

真っ赤に艶めくヘタが跳ね上がっているいちごは、畑に来たからこそみられる表情です。
そのお味は、ぜひご自身で確かめてみてくださいね。

夫が見せた、「家ではみられない表情」

いちごは品種によって果実の形や大きさ、味、それに葉っぱの生え方が少しずつ違っています。

はじめていちご農園に行った夫も、最初は看板をみて判断していたのに、最後の方になると「これは章姫(あきひめ)だ!」と品種当てができるようになっていました。

ドヤ顔で食レポする夫は「たくさん食べる」という当初の目的よりも「畑でしか出会えないいちごの表情」を「家にいる時は見せない表情」で楽しんでいるように見えました。

私が伝えたかった「観光農園の魅力」を言葉ではなく身体で感じてくれたことがとても嬉しかったです。

ひとつひとつ、その瞬間でしか出会えないいちごたち。宝探しのように完熟いちごを探すもよし、「誰がいちばん大きいいちごを見つけられるか選手権」や「ヘンテコな形の個性派いちご選手権」などのイベントを開催して盛り上がるもよし。

魅力がたくさん詰まった観光農園。楽しみ方は人それぞれですが、ここからは当日を思いっきり楽しむコツをお伝えします!

ベストな瞬間を逃さない!事前予約は電話がおすすめ

観光農園といっても、会いにいくのは私たちと同じ「いきもの」。天候によっていちごの状況は変化します。しっかり準備して当日を楽しみましょう!

まずは農園さがし。インターネットで検索すると、簡単に農園の紹介が出てくると思います。東京23区内にもあるので、意外とご近所にもあるかもしれません。

そして初めて訪れる農園には電話で予約を入れるのがオススメ。

なぜなら果物はその時によって収穫可能な量が限られている上に、ホームページ上に掲載されている品種とハウスで栽培されているものが異なる時があるのです…!

「せっかく行ったのにあまり苺が実っていなかった…」

「お目当てのいちごが実ってなくて悲しい…」

という事態に陥らないように気になることは事前に電話で聞いてみてくださいね。

楽しむ気持ちと一緒に、マナーも持参

いちご狩りはたいていの場合、ハウス栽培が多いです。密室の中で数人の人たちが入り混じり、素手で苺を収穫するため病原菌が広まるリスクもあります。

農家さんは細心の注意を払って衛生管理に努めていらっしゃるとは思いますが、「自分の身は自分で守る」ために必要最低限の除菌シートや消毒スプレーは持参しておきましょう。

また、なるべく手で触った苺は全て獲って自分で食べるようにしましょう。あちこちベタベタ触って吟味するというような周りの人が不快になる行為は控えてくださいね。

万が一くしゃみが出そうになった時は、苺の実っているところから離れマスクか手で押さえてもらえると苺も喜びます!

いちごを美しく、美味しく味わう

さて衛生面もバッチリになったところでいよいよ収穫。

先ほども紹介しましたが、完熟のイチゴを見つけるポイントはヘタが上に跳ね上がっていること!

初めて農家さんに教えてもらった時は、感動しました。生命の力…尊い…。

苺は、上に持ち上げるようにヘタをポキッと折ると綺麗に獲れます。決してちぎるような可哀想なことはことはしないでくださいね。

そして綺麗に獲れたら、口に入れたくなる気持ちをグッとこらえて太陽の光が当たる方に苺を照らしてみてください

キラキラと輝く美しさはまるでルビーのようで、思わずうっとり。家の中とはまた違った表情を見せてくれるので品目ごとにツヤ感やきらめきを比べてみるのも楽しいですね。

視覚で楽しんだら、ヘタを外してヘタのついている方からパクリ。苺は先端に向かって甘くなっているのでヘタの方から食べるとより美味しく食べられます。

上級者向け。遊び心のエッセンスを加えて

いちご狩りをシンプルに楽しむのもいいですが、味に慣れてきたり、お腹が満たされてきたら遊び心を追加してみるのもオススメ!

練乳やチョコレートソースをかけたり、ヨーグルトに入れたり。上級者だと大福を持ってきていちご大福にする人もいました。(笑) 

もちろん、事前に持ち込みの許可をもらってくださいね。

天気のいい日は自然光で肌が綺麗に写るのでいちご畑でポートレート写真を撮ってもらうのもいいですね。

皆さんも、この時期しか収穫できない旬の果物を堪能してみてはいかがでしょうか?

ライター/ゆるみな

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