aiyueyoはいのちと向き合うことを「愛」と定義しています。同じ目線で「愛」をとらえていらっしゃり、愛ある世界を広げるパートナーとして推しあいたいブランドのひとつが出産の代筆屋「つむぎや」です。

本記事では2023年1月に第二子を出産したaiyueyo旗振り役のあべなるみが「つむぎや」代表のあんどうまりこさんに代筆を依頼した、2人の娘へのお手紙を紹介します、

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この手紙を開いてくれてありがとう。これは、2023年のなるみお母さんからの手紙です。

今、なんと一綴(いと)ちゃんが生まれて12日目! 小さくてやわらかい一綴ちゃんに触れながら、ゆったりと過ごしています。でもこのあいだね、曖(あい)ちゃんがずぅっと家にいるのも「申し訳ないな〜」と思って一緒に公園に行ったの。「お腹にいないし走れるんじゃない?」と思ってちょっと走ってみたら、すっごくお腹が痛くなっちゃった。産後はやっぱり安静にしなくちゃなと思ったところです。

ここ数か月を振り返ると、一綴ちゃんの出産をしたのだけれど、曖ちゃんのこともたくさん想う時間でした。曖ちゃんが生まれたときのことにも思いを馳せて、命の尊さにじーんとして。

それで、曖ちゃん、一綴ちゃん、ふたりに向けてお手紙を書こうと思いました。家に並んでいる小さい頃の写真アルバムのように、何かの機会にこのお手紙を読んで、思い出を共有できるとうれしいな。

新しい暮らしへ

さて、一綴ちゃんはなるみお母さんにとって二人目の赤ちゃん。だから、「きっと大丈夫。」と心に余裕がありました。肌感覚で元気だろうと感じていて、生まれてくるのをすごく楽しみにしてたよ。曖ちゃんははじめての赤ちゃんだったから、もっともっと不安だった。「大丈夫かなぁ、出産、怖いなぁ」ってね。

感染症がはやっている時期だったから、里帰り出産をするなら早めに帰らないといけなくて。11月中旬にはあべばぁば・じぃじのいる山口に戻って、出産に向けて準備を始めました。

12月に入ると、曖ちゃんも山口に来てくれたね。それまで通っていたエンゼルさんをお休みして、家で一緒に過ごすようになりました。曖ちゃんは妹が生まれてくることをわかっていて、「早く会いたいなあ」「楽しみだな」ってにこにこしていたんだよ。

エンゼルさんで習ってきた「たまごの歌」覚えてる?「まあるいたまごがパチンとわれて、中からひよこがピヨッピヨッピヨッ」って。その歌を聞いて、赤ちゃんもパチンとわれて生まれてくるものだと思っていたみたい。「お母さんのお腹がパチンとわれるんじゃないの?」と曖ちゃんは何回か言っていて、そのたびに「たまごで生まれるんじゃないんだよ、うう〜んって出すの」と笑いながら伝えました。

一綴ちゃんがお腹にきてから曖ちゃんは少し甘えんぼうさんだったよ。けど、年末が近づく頃には、哺乳瓶をポンと手放して、突然ごはんもよく食べるようになったね。あ、頼もしい! と思ったよ。そんなふうに、曖ちゃんと一緒に、新しい暮らしに切り替わってゆくのを静かに感じていました。

この頃から、お腹の一綴ちゃんに「そろそろだね」って話しかけていたよ。曖ちゃんが生まれるときにほんの一瞬だけど、”通じ合った” 感覚があったから、きっと、お腹の一綴ちゃんにもわたしの声が届いていると思ってね。

赤ちゃんとの共同作業

出産っていろんなかたちがあるけれど、なるみお母さんは、赤ちゃんとお互いに感じ取る「共同作業」のようなお産をしたいなって気持ちがすごくあったの。

なるみお母さんは日頃から農家さんと接することが多いでしょ? だから、自然に起こるいろんなことには意味があるんじゃないかなって思っていたんだ。出産をするときには「陣痛」といって、とってもお腹が痛くなるの。その痛みをやわらげる出産の方法もあったのだけれど、なるみお母さんはただ痛くてつらいだけのものじゃなくて、きっとその痛みにも何か意味があるんだろうって思ってた。

そんなとき、「出産は、赤ちゃんとお母さんの初めての共同作業」という考え方に出合って、すごくしっくりきたんだ。曖ちゃんのときはなるみお母さんははじめてで、共同作業を楽しみきる余裕がなかったの。だから一綴ちゃんとは共同作業を楽しみたいな、と思って助産院という場所での出産を選んだんだよ。

それで、一綴ちゃんの出産にあたって山口の助産院を調べたら、すっごく素敵なところが見つかったの! 超ベテランのお母さんが始められた助産院。子どもを5人出産されて、40歳過ぎてから「やっぱり出産体験がスペシャルだった」と感じて助産師の勉強をした方でした。すっごく素敵! って思って、ここで一綴ちゃんを産みたいと心に決めたんだよ。

そこは一軒家の、木の温もりを感じる助産院でした。「ここで産むよ」と案内された2階のお部屋は、8畳くらいの広さの和室。畳の真ん中にお布団がぽんって置いてあるだけで、すごくシンプルなの。どんな体勢で産むのか疑問に思って聞いたら、「旦那さんが背中に入り込んで分娩台がわりに身体を持ち上げて、両手を抑えて、それでうぅ〜ん!って産みますよ」と説明されました。それで、「そんな感じでもう旦那さんには役割があるから、もし上のお子さんも一緒に来るなら、もう一人お子さんを見れる大人も」と言われたの。曖ちゃんにも出産に立ち会ってほしいと思っていたから、あべばぁばにも来てもらうことにしました。

自然の流れのなかにある

そして迎えた予定日の1月5日。陣痛がきて助産院についたのは朝の4時半。ほんとうは助産師さん三人体制でお産する予定だったんだけど、明け方で、わたしたちのお産は順調に進みすぎていたから一人が間に合わなくって。生まれてくる一綴ちゃんを受け止めてくれる助産師さんが一人、もう一人はわたしの片足を持ってくれるから……片足が浮いてる状態だったの。それを、あべばぁばがずっと支えてくれました。ばぁばは「えぇ〜立ち会いって無理よ〜!」なんて言っていたのだけど、そういう状況になったら何の不満を言うでもなく、すっともう片足を支えてくれました。結果的に一番近くで支えてくれるかたちになったんだよ。

曖ちゃんはほとんど寝ていたけれど、出産の直前にいきみ始めた頃から起きて、静かにじーっと見ていたね。ただただ、じーっとしていて。きっと、「今ここで何か必死に行われている」っていうのを感じ取ってくれていたんだよね。曖ちゃんの姿を見て、すごいなあと思いました。眠そうだったから寝ててもいいと思っていたけど、曖ちゃんが起きてくれて、一綴ちゃんが生まれる瞬間を共有できたのはやっぱりうれしかったな。お産を迎えるチームの一員として参加してくれたんだと感じました。

出産は、そうだなあ…痛かったけど、わたしが痛いってこと以上に、一綴ちゃんが頑張ってくれていることを感じてたよ。「頑張れ~!」って念じて一綴ちゃんへの意識を前に飛ばせたのがすごくよかった。一綴ちゃんとずっと繋がっているような気持ちでした。「あ! 今この辺にいる!」とかなんとなくわかったの。出産直前も「ちょっと一回休憩しよっか」と言われたんだけど、「いや、もういきんだほうがいい!」っていう直感に従って力を込めたら、一綴ちゃんが生まれてきてくれたね。

一綴ちゃんは、生まれてすぐにすっごい大きな声で泣いたね。体重が3400gあって、体もしっかりできている状態で生まれてきて。「健康な子を産んだわ〜」って、すごく安心しました。

ようへいパパとあべばぁばは感激していたよ。パパは「血が苦手だから、具合が悪くなったらどうしよう」と言っていたけれど大丈夫だったし、ばぁばも「わたし無理〜!」と言ってたのにすごく頼もしかった。

曖ちゃんは、もうさっそく興味津々。生まれたばかりの一綴ちゃんを覗き込んで、少し照れながら、緊張しながら、「ちょっと触ってみたいなあ……」という感じだったね。

みんな多くを語るわけではないけれど、それぞれに、一綴ちゃんが生まれてきたというできごとを受け取って、幸せに浸っている感じでした。

わたしと一綴ちゃんのリズムに合ったお産にしたいというのが助産院を選んだ理由だったけど、必然的に家族が立ち会うかたちになりました。曖ちゃんがいて、ようへいパパがいて、あべばぁばもいて。人数制限で来れなかったけれど車で送ってくれたあべじぃじ、遠くで祈ってくれていたふじいのじぃじ、ばぁば……。

分娩は特別なことではなくて、日常の流れの中にある。いつも当たり前にいる人たちがまわりを囲ってくれて、安心してすべてを委ねられる助産師さんがいて。緊張が一切ないなか、安心して一綴ちゃんが生まれてくることに向き合えました。

後から聞いた話なんだけど、結果的に、一綴ちゃんの出産は医療行為がゼロの出産でした。「0.0何%くらいじゃない? こういうお産!」って、助産師さんに言われたよ。わたしの体が頑丈で健康で、自然なお産をさせてもらえたのがありがたかったな。

曖ちゃんと一綴ちゃん

一綴ちゃんが生まれてから5日間、なるみお母さんと一綴ちゃんはそのまま助産院で入院。曖ちゃんは毎日会いに来てくれて、別れるたびに号泣していました。やっぱりさみしかったよね。一綴ちゃんが生まれてからは、もう曖ちゃんだけのお母さんではなくなって。さみしい思いを抱えつつ、でも一綴ちゃんのこともかわいく思う、そんな曖ちゃんの葛藤が見て取れて、成長する姿を見せてもらったなと思っています。

昨日だったかな、一綴ちゃんにおっぱいをあげているときに、曖ちゃんが遊びたくって号泣したの。「お母さんを独占したい、一緒に遊びたい!」っていう曖ちゃんの気持ちをすごく感じた。でも、一綴ちゃんのミルクを作るよと言ったら「曖ちゃんがやりたい!」ってミルクを作ってくれたね。

普段も、おままごとの道具で一綴ちゃんの分のごはんを作って、「これは一綴ちゃんのだよ」とか言ったり。早く一綴ちゃんと遊びたいらしくて、でも一綴ちゃんはまだ遊べないから、わたしに「一綴ちゃんにな〜れ!」っていう魔法をかけて一緒に遊ぶんだ。

そうやって、お姉さんとして一綴ちゃんと一緒に遊びたい、お世話したいっていう気持ちがある。一綴ちゃんのことがすごく好きで、でもお母さんを独占したくて、本当にいろんな複雑な感情を抱えているんだよね。

曖ちゃん。今一綴ちゃんのことをこんなにもスムーズにできているのは、本当に曖ちゃんのおかげだと思っているよ。びっくりするくらい「こんなに楽だったっけ?」って思ってるの。曖ちゃんが第一子として大変な役割を担ってくれたから、一綴ちゃんはスムーズに産道を通って、おっぱいを飲んで、すくすく成長してる。一綴ちゃんを愛おしいと思うたびに、曖ちゃんにありがとうって気持ちが浮かんでくるんだ。

曖ちゃんもお姉ちゃんになっていくとき。きっと、楽しみ半分、はがゆさ半分、いろんな感情があるのだと思う。それすらも、曖ちゃんはやっぱり初めてのところを担ってくれているんだよね。わたしも「ふたりのお母さん」って初めて。お互いに初めてで、うまくいかないこともあると思う。それでもやっていけるのは、曖ちゃんが切り拓いてくれるからなんだよ。ありがとう。

一綴ちゃん。とにかく健康に生まれてきてくれてありがとう。一綴ちゃんは、すごく規則正しい子っていう感じ。本当にお利口ちゃんです。わけもわからず泣くみたいなこともそんなにないし、3時間おきに「ふにゃ~」って泣いておっぱいを飲み、足りなかったらミルクも飲んで、またすぐ寝るの。出産も予定日通りに生まれてきたので、なんかもうすごいなみたいな。自己管理して、規則正しいなあみたいな感じです(笑)本当に手がかからない子だと思う。でも、わがままを言って、育ちたいように育ってね。わたしもどんと構えて受け止めるからね。

ふたりの母

今、ふたりの母になって、めちゃくちゃ希望を感じているの。わたし、大学生のときから『ぜったいにお母さんになりたい』って思っていたんだ。世の中に貢献できることがあるとするなら、それはきっとわたし一人でやるよりも、子どもたちを産んで一緒に活躍したほうが影響が大きいって信じてきた。

曖ちゃんと一綴ちゃんがいるから、できることが無限に広がるなって思う。たとえば、女性のキャリアの観点では、子どもがキャリアのブレーキになるという考え方もある。でも、わたしは1ミリもそう思ってないの。こんな混沌とした時代に産んで、きっと大変だろうなとは思うけれど、曖ちゃんと一綴ちゃんがいるからできることの多さにすっごくワクワクしてます。すごいアウトプットをしてしまった! っていう感覚。めちゃくちゃ未来が楽しみで、希望を感じています!

わたしはもっと世界が『愛』の方向に向かっていってほしいって心から思っていて、死ぬまでにそういう世界にシフトするのを目撃したい。

それはどうしても一人ではできないことだけれど、すごい強力な、なるみお母さんなんかよりとってもとってもすごい人を産んだってこと自体が大きな貢献だなって思うの。

愛のある世界にシフトするためのすごい人たちを送り出す。それがわたしの役割なんじゃないかな。曖ちゃんと一綴ちゃんは、その最たる例だと思います。……なんて、あまり期待をかけすぎちゃうのもいけないんだけれども。なんかもう、すごい子だろうなって思ってるの、めちゃくちゃ勝手に。ほんとうに、のびのびと、曖ちゃんと一綴ちゃんの「らしさ」を発揮してくれたら、ものすごいことになるなって思っています!

曖ちゃんと一綴ちゃんは、それぞれに素敵なところをもっていて、そんなふたりを尊敬しています。わたしも学ばせていただいているし、対等な人として、お互いに高め合っていけたらいいなって思うよ。

生まれてきてくれてありがとう。

曖ちゃん、一綴ちゃん、大好きだよ。

なるみお母さんより

(つむぎや1周年 特別コラボプランで申し込んだので、 yoccoさんによる似顔絵イラストもお手紙といっしょにお届けいただきました)

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出産は「いのち」について考えるタイミングのひとつ。「いのち」に思いを寄せることは、自分自身と家族のことを改めて大切に感じることに繋がり、いま生きていることを抱きしめたくなる時間になります。

愛を大切に生きる。aiyueyoと共に、最愛の出産体験を応援しているブランドはこちらの記事で推しあっています。こちらもぜひ御覧ください。

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つむぎや

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あの瞬間を、忘れたくない。
「生まれてきてくれてありがとう」を手紙に残す、ママのための代筆サービス。妊娠・出産時の想いを丁寧にうかがい、手紙にしてお届けします。何年か後に再び読んだとき、当時の気持ちが鮮やかによみがえったら。そんなすてきな体験を、贈ります。

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