チームaiyueyoで活動しているきしかなこです!

「”愛職”深堀りインタビュー」。これはわたしがaiyueyo循環商店街で出店しているお店の名前です。
「食」「職」「色」、3つ”shoku”から愛を耕すことをコンセプトにしているaiyueyoの中で、「職」にも関心が高いわたし。

わたし自身がここ半年間くらい、子育てと仕事のバランスを見失っていて、自分らしい働き方ってなんだろうともがいている時間がありました。会社か家か、0か100かではなくもっと働くグラデーションがあればいいのに、と思っていました。

ふと、「そういえば、aiyueyoには多様な働き方をしている人たちがたくさんいるじゃないか。みんなの話を聞いてみよう!」と思い立ったのが、このインタビューのきっかけ。
農家兼デザイナー、週4日会社員、育休中にちょろっとワークするお母さん、いろんな働き方があるからaiyueyoはおもしろい。

愛職インタビュー第一弾は、aiyueyo旗振り役でもあり、2人の女の子のお母さんでもあり、自分らしくごきげんにいきる実践者のあべなるみさんにお話を聞いてみました。

そもそも「愛職」ってなんだろう?

きしかなこ(以下、きしかな)aiyueyoが掲げる3つの「shoku」というテーマがありますよね。
その中のひとつに仕事の「職」があるのですが、aiyueyoで掲げる「職」とはどういうものですか?

(aiyueyoが掲げる3つの「shoku」)

なるみさん:aiyueyoでは仕事の中でもナリワイ、個々がすでに持っている想いや強みを活かしたお商売の形を生み出すことを応援しています。

わたし個人の話をすると、とにかくわたしは「お母さん」になりたかった。どうやったら子育てと仕事を心地よく両立できるだろうかと中学くらいの時から考えてきました。そして社会人になって、何かこれまでと仕事のやり方を大きく変えないと、どっちも両取りすることはできなさそうだな、と強く思っていました。

自分の求める暮らしと仕事の心地よい共生を叶える働き方をつくりたい。実験してわたしがけっこうでき始めたので、周りの人たちとも一緒にどうにかやろうよという感じでaiyueyoで取り組んでいます。

きしかな:なるみさんはお母さんになりたいという想いが、比較的早い時期からあったんですね。
多くの人は仕事をして、20代後半になったあたりから、「あれ、両立難しいんじゃない?」と気づく人が多いのではないかなと思うのです。そういう人たちに、なるみさんはどうアクションしていこうと思ったんですか?

なるみさん:体現する、ですかね。わたしも答えがなかったから、まずわたしがやってみる。

自分の人生のハンドルを握る

きしかな:最近のなるみさんのtwitterを見て、「みんなよぉ、甘えるなぁ!」というツイートがあったのですが(笑)
「甘えると頼る」は違うというお話をされていて、詳しく聞いてもいいですか?

(ある日のあべなるみさんのtwitter投稿)

なるみさん:はい(笑)
例えば会社に就職したら、お給料って降ってくるものじゃないですか。それが当たり前のところから、起業して全部手放してみて、「あ、お金が毎月もらえるって当たり前じゃないんだ」と気付いて。

なんで会社にお給料があったかというと、何年、何十年前の人が頑張ってお金が回るシステムを作ってくれていたからなんですね。昔稼いだものをもらってるみたいなことだと思うんです。

お金って、やったことに対して遅延して返ってきます。じゃあ、今稼ごうと思ったら、これまで積み上げてきたものを確実に換金しつつ、次の仕込みもしないといけないんだ、とわかってきたんです。
この「お金は降ってきて当たり前だ」と思う感覚を手放してからの方が、誠実に、よりよく生きられてる気がしてるんです。
「積み上げてくれた過去の自分・先輩方ありがとう」って感覚が生まれる。それが甘えると頼るの違いですかね。

きしかな:それで言うと、会社員の人たちであっても、自立する大事さってなるみさんはどう考えていますか?

なるみさん:まず自分が自分の人生のハンドルを握ろうぜ、という感覚を共有し合わないとその先に行けないとすごく思っています。そのマインドさえ共有すれば、会社員かどうかとかではないです。

きしかな:主体性のマインドが大事というのは、どのタイミングで思ったのでしょう。

なるみさん:やっぱり、子育てと仕事の両立を自分なりに模索しはじめてからだと思います。
自分が求める融通を実現できるんですよ、自分がやりさえすれば。世の中の常識にないから辞めるのか、「いや、これはわたしの人生だから」と思ってできると思うならやればいいし。(世の中の常識に)ない道を行き始めてからですかね。

きしかな:なるほど、そうなんですね。

なるみさん:週5で勤務することが当たり前だと思ってきたけれど、今のわたしのフェーズだったら、お昼に休憩をとって午前に2時間、午後に2時間働くでもいいじゃんとか、なんなら1時間だけ働くでもいいじゃんと思っています。
そういうチューニングを、子育てに合わせてやっていく中で、「自分の人生は自分で決めていた方が豊かだな」という感覚や、自分ができることで換金したり、欲しい分だけ換金すればいいんだなという感覚になってきました。

きしかな:わたし自身も、子育てをしながらだと、想い描いた通りの仕事はできなかったので、どうするか考えるしかなかった、というのは正直あります。

食と職と色。それは同時に、重なりあう

きしかな:ところで、aiyuyoは3つのshokuで「食」と「色」もありますよね。なるみさんは起業して、「食」のブランディングを始められています。「食」から仕事の「職」、らしさの「色」と、どんどん考えが派生していった過程を教えてもらえますか?

なるみさん:派生したというよりも、常にこの3つだったっていう方が正しいです。例えばaiyueyoが関心をもって関わっている領域が農業です。農業って、コモディティ化が特にしやすい領域。すごいらしさ、つまり「色」が埋もれやすいんです。はじめは単純に「らしさがあるのに、もったいない」というふうに思っていました。
そこから、農家さんのお仕事を一緒にやっていく中で、子育てとも両立しやすい部分があったので、「職」もあった。
そのいのちのらしさを感じて食べる「愛食」に関わる働き方が、ダイレクトに自分がごきげんに生きることに繋がっちゃうので、そういう意味でも「職」です。

最初から3つの「shoku」はあって、”愛食を仕事にする”ということが世の中にまだ無かったから、どんどん独自の働き方をすることになって、それが自分らしさになっていきました。

働き方と愛食が広まることが、もう全部同時に実現するという感じで、そこに優劣はあまりないですね。

きしかな:外から見たなるみさんは「食」が強いイメージでしたが、実際のところは「shoku」の3つが全部つながっているのですね。最近は、ナリワイ助産院や、ブランドの助産師ー養成講座など、「職」に関わる部分についてもプロジェクトとして表に出てきている部分がたくさんあるなと思いました。

(aiyueyoが運営する講座「ナリワイ助産院」)
(aiyueyoが運営する講座「ブランドの助産師養成講座」)

なるみさん:ナリワイ助産院は自分らしい「色」の「職」を見つけるための講座、ブランドの助産師養成講座は相手のらしい「色」を発掘して形にするお手伝いをする「職」の講座。いずれもできる実践者が増えることで愛「食」も増やすことができる。全部繋がっているんです。

(前編インタビューはここまで)

なるみさんの「愛職」インタビュー、まずはaiyueyoの考えについて理解を深めることができました!まだない道を試行錯誤して進んでいったことが、仕事にもなり、自分らしさにもなったというお話が印象的で、改めて自分にあった働き方は自分次第でできるのかもしれない、と勇気をもらいました。

後編インタビューでは、なるみさんご自身の「愛職」についてもう少し迫っていきます!

ライター/きしかなこ

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