2023/07/20

大磯で「暮らし」と「仕事」の循環をつくりたい。にしの夫婦が目指すローカルライフ

「愛の循環をshokuから耕す」を掲げるaiyueyoでは自分らしく生きるナリワイをもつことを応援しています。本記事では、チームaiyueyo内のブランド戦略家とデザイナーが、同じくチームaiyueyoメンバーの「自分らしさ」をブランディングを通して応援した、西野 知佳さん・聡さんの事例をご紹介します。

みなさんこんにちは!「ごきげんの輪を拡げる広報・おむすび屋」西野 知佳と「料理家・映像クリエイター」の西野 聡です。私たちは自然豊かな大磯で、暮らしと仕事が心地よく共生し、ごきげんが循環していく生き方をひとつひとつ大切に育んでいます。

そんな私たち夫婦が歩んできたこれまでと、私たちの好きが詰まった街”大磯“のローカルライフについて、ぜひお話させてください!

まずは夫婦それぞれ自分たちらしく働くことを模索

知佳:私たちの出会いは、新卒で入社した星野リゾートです。私は、ホテルの基本サービスやアクティビティの企画を4年経験した後、広報を4年半担当。その後、2020年12月にフリーランスに転身。独立後は、北海道のホテルやドローンショーの広報を担当しました。

広報以外にも、女性のキャリアスクールでのライフコーチや、ライフログスクールの運営、個人で事業をされている方のブランディング支援をしたり、夫婦で食堂を営んだりと多方面で活動していました。

2022年の7月には週4会社員、週1フリーランスの働き方へシフト。会社では事業のブランド戦略やインナーブランディング、複合施設の開業イベントの企画やメディアリレーションを担当。個人ではaiyueyoの広報戦略の立案やローンチパーティーの企画や運営をしてきました。

そして、2023年7月より、再び大磯を土台にローカルファーストに生きるべく独立を決めました。

聡:星野リゾートでは、ホテルのサービス業務を経験した後、調理補助という形で料理のサポートをしていました。その時に料理の楽しさを知り料理の道へと進むことを決心。温泉旅館ブランド「」で3年間の料理長を経験した後に独立をしました。

独立後は、大磯に拠点を移した直後に、ご近所である「ら〜めんかふぇししまい(以下ししまい)」さんで間借りをさせてもらえることに。そして「ししまい食堂」として週に2回の食堂を4ヶ月やらせてもらったことが料理人として新たなスタートでした。

その後「ご縁を大事にフットワーク軽く動こう」という思いで、富士山の山小屋でのまかないづくりや、山口で姉が関わっている飲食店の立ち上げとしてオペレーション設計やレシピ開発などをしました。昨年は半分くらい出張していたかもしれません。

気づけば夫婦で過ごす時間も少なく、大磯のことをほとんど何も知らない状態で。暮らしを大切にしつつ、地域のことをもっと知りたいという気持ちが強くなり、今年から料理も大磯を拠点とすることに決めました。

そして再びししまいを間借りさせてもらい、現在も隔週で開いている居酒屋「ししまいナイト」へと繋がっていきました。

料理人とは別の顔として、映像クリエイターの活動もしています。料理人である経験を活かして、共感できる飲食店や生産者を中心に、作り手の思いが伝わる作品作りに取り組んでいます。

そして夫婦で共に活動するタイミングへ

(推し食材を仲間と一緒に囲んで楽しんだ「ごきげん愛食会」)

知佳:私たちは、それぞれの得意領域を伸ばすためにソロ活動に集中する時期もあれば、2人で一緒に活動する時期もあったりと、その時々で夫婦の形を変えてきました。

そして今はまた、互いに無理なく個々の良さが生きる形で、共に活動するタイミングが巡ってきたと感じています。

大磯は、神奈川県中郡にある海と山に囲まれた自然豊かで、地域や人がほどよく繋がる心地よい街です。夫婦で楽しく暮らせて、街の人と繋がりが生まれそうな場所を探している中で出会い、2021年の7月に引越しをしました。

大磯に住んで2年。今はたくさんの方々との繋がりができ、ししまいナイトでは私の誕生日をお祝いしてもらいました。道を歩けば誰かと挨拶をかわし、どこかのお店に行けば自然と会話が生まれていて、すっかり私もこの地域の一員なんだという感覚です。

(ご近所さんが庭の植物を束ねた花束をプレゼントしてくれました)

大磯で過ごす時間や出会いは、生活の豊かさそのものです。だからこそ、もっと大磯のことを知りたいし、私たちを介して外と大磯のご縁も拡げていきたい。実際に友人を大磯に招待して、大磯の街散歩ツアーを企画したりもしています。

大磯ではマルシェも盛んです。私もときどき、おむすび屋さんとして子どもたちや地域の方々に朝ご飯としておむすびを提供しています。料理といえば聡、というイメージもゆるやかに変わっていくことを感じています。

小学生ぐらいの男の子が「美味しい!」って言ってくれて、そのピュアな反応が嬉しかったんです。これからもおむすびを通じて、たくさんの方々と温度感のあるコミュニケーションができたらいいなって思います。

地域と人が繋がる「場所」を作りたい

(月に2回開催の間借りの居酒屋「ししまいナイト」では、カウンター越しのお客様とのお喋りが楽しい)

聡:大磯でししまい食堂をはじめた頃は、自分の料理を食べてもらって認められたいという気持ちでした。それがだんだんと僕の料理だけでなく、僕たち自身を応援してくれる人が増えていって。

大磯の人はみんな大磯への思いが強いんです。だからこそできる限り食材も地元のものにこだわりました。大磯の外から友人を招いた時には、大磯の方との交流が生まれています。そして、料理を食べながら大磯を語り、話を聞く友人も大磯に対して新たな発見がある。

ここにしかない循環が生まれていることが嬉しくって面白くって。これからもそんな、地域と人が繋がる「場所」を作りたいなと思っています。

(ご近所さんに誘ってもらい、お味噌と醤油を仕込む会に夫婦で参加させてもらいました)

知佳:ししまいナイトでは、大磯の方を中心に人と人が自然とつながって、日々楽しそうな企画が生まれているんです。私たちも心地よく楽しい渦に巻き込まれながら、色んな連鎖を起こしたいなと思っています。

大磯には私たちが大切にしている、暮らしを大切にするという価値観を既に体現してるちょっと上の世代の方々が多くいます。そして、「何かやりたいです!」って言ったときに周りの大人たちが優しく見守ってくれてる温かさがあります。

聡:大磯で何か新しくチャレンジしようとする僕らを面白がって応援してくれる。みんな大磯愛が強いからこそ、大磯で面白い取り組みが生まれることにウェルカムなんです。

これまでたくさんの応援をもらいました。そしてこれからも、こんな僕たちを見守り応援してくれたら嬉しいなと思っていますし、僕たちも応援する側でありたいと思っています。

「LOCAL LIFE DOOR」 = 宿であり私たちそのもの

(大磯の古道具屋さんで一目惚れしたアンティークテーブルとチェア)

聡:僕たちのブランディングのコンセプトは、「LOCAL LIFE DOOR」。大磯の外と中を繋ぐ「接続点」となりたい気持ちを言葉にしました。接続点として、いつかは自分たちの大切にしている「暮らし」を体験してもらえるような、オーベルジュ(=宿泊型レストラン)を作りたいなと夫婦で話してます。

その第一歩として、8月に民泊「宿たゆたう」を始める予定です。今は「西野リゾート相談会」の愛称で作戦会議をひらきながら、素敵な場所を作るべくたくさんの仲間に助けてもらっています。

知佳:陶芸家さんのアトリエがあるアパートの部屋を借りるのですが、建物もまた味のある感じで、富士山も遠くに見えるんですよ。外には畑もあるので、植物を摘んだり、染物をしたりもできそうだなって。

ちょっとだけ豊かな暮らしが体験できる複合施設みたいな宿にできたらいいな、なんて思っています。

「ここは私たちが営んでいます」と言える場所があると世界はどうが変わっていくんだろう、そこからどんなことが生まれていくのだろう。考えるだけでワクワクします。

(西野リゾート相談会で盛り上がった一コマ)

今回の宿には、大磯で出会った作家さんの作品をたくさん置く予定です。まさに、私たちの推し部屋です。私は「あなたのここが素敵!」を見つけて発信することが得意です。推しの方々の魅力を空間で表現していくことも宿をやりたい理由の一つです。

大磯の人にとっても外から来た人にとっても、私たちが間に入ることで両者にとって、気づきや発見があるようなそんな豊かな場所を作れたらいいなって思ってます。

さらには、私たちの場所で繋がった人たちが「何かやろうぜ!」と勝手に盛り上がって、さらには仕事に繋がっていったら面白そうだななんて。

聡:今回、僕たちのイラストを、大磯で出会った農家のKOBAさんご夫婦に作ってもらいました。美大出身で、日本画や大規模なインスタレーション作品も作るアーティスティックなお二人です。年代も近く、大磯では珍しい同期のような存在です。

普段、野菜を定期的に購入させてもらっていますが、イラストという別の形でご一緒できて本当に嬉しかったです。KOBAさん本当にありがとう!

自分たちがまず楽しいと思えること。それが続ける秘訣

聡:人が集い繋がりが生まれる「場所」は夫婦の大きなテーマです。場所を通じて、僕たち自身もまだまだ知らない人と出会っていきたい。

僕たち自身が繋がりたい人と繋がるようなことを企てつつ、自然と周りの人の繋がりが生まれていることが理想です。

僕らのように大磯に移住したい人や、自分らしく生きたい人たちの背中を押して、人生の分岐点になるような存在になれたらなって。

あくまできっかけにすぎないけれど、僕たちとの出会いが誰かの生きるヒントになって、暮らしがいい方向に変化していったらいいなって思います。

知佳:ローカルに根付きながら面白い取り組みをしてる人とも繋がれたら素敵ですよね。感度高く他の地域とも繋がりたいと思う仕掛け人のような人。宿が一つ大磯にそんな人が来るきっかけにもなってくれたらいいな。

打算的なことはできる限りなくしたいんです。自分たちの気持ちとやりたいことがイコールで繋がることを諦めたくはありません。

大事なのは地域を盛り上げることを目的としないこと。自分たちが心の底から楽しい、幸せだからやってるんだっていうふうに思い続けたいなと思っています。

複数のナリワイが点となり有機的に循環する

(季節の食材を楽しむ、月に一度のおむすび屋さん)

知佳:個人としても、広報やブランド作り、おむすび屋の両輪でもっと湘南西湘エリアに根ざして活動していきたいと思っています。複数のナリワイが点となって、それが有機的に循環する状態を作っていけたらなって思うんです。

例えば、おむすびをキッカケに出会い、意気投合して広報として仕事をするような。

大磯が好きだからこそ、繋がりたいお相手の方も湘南西湘エリアが好きな人がいい。この地域の表現者、心地よく暮らして生きることに焦点を当てている人、そういう人や事業を支援してる会社と繋がっていけたらなって思っています。

そして魅力を伝える伴走者になれたらめっちゃ素敵ですよね。こんなこだわりのある私のことを人として好きだから頼みたい、と思ってもらえたら嬉しいです。

しっかりと対話を重ねて、思いや魅力を導き出していく過程を一緒に楽しみたい。自分らしさを活かしながら、相手にも最大限価値を提供できる広報の形をこれからも見つけていきたいなって思ってます。

料理と映像で自分も人も繋がっていく

(大磯を中心とした食材をふんだんに使った前菜の盛り合わせ)

聡:最近は、湘南エリアや東京からもお客さんが来る大磯のライブで出張料理をすることも増えました。これからも、色んな人が集まる場所で料理をやりたいですし、僕の料理を通じて人が繋がっていけばいいなって思っています。

間借りでの料理は、食材の持ち運びがあったりと正直大変なことが多いです。なので、負荷ができる限り少なくて、自分も人も心地よく繋がれる場所をこれからも模索していけたらなって思っています。

映像でも、自分の好きな人たちをどんどん紹介していけたらなって思っていて。自分が心地よいスタイルと相手から求められることのバランスを探り合っていて、試行錯誤することも楽しいです。

最近では、料理の写真の依頼も増えていて、これまで映像と料理とそれぞれがバラバラだったものを、写真が繋いでくれています。

料理も映像も、ちょっとずつ変化をしています。自分らしいあり方を模索することをこれからも面白がって生きていきたいです。

「個と夫婦」の良さを循環させていけたなら

(お気に入りのお花屋さんでお祝いの花束を!いい花屋のある町は、いい町です)

知佳:周りからは「素敵なご夫婦だね」と言ってもらえることは嬉しいです。が、もちろんそれなりにぶつかってきてもいます。ただ自信を持って言えるのは、徹底して話し合うことから逃げなかったことです。

まずは対話をしてから物事を決めることに、あまり抵抗がありません。それはきっと、これまでたくさん対話を重ねてきたことの信頼があるからです。対話は私たち夫婦の礎なんですよね。

聡:どこにも所属せずに自分たちのナリワイだけで生きていくことはやっぱり大変なこともあります。まさに宿を始めることは夫婦にとってもチャレンジですし、夫婦で乗り越えていかなきゃいけないことは、きっとこれからもたくさんあると思います。

だからこそ、個々の良さを活かしながら、夫婦の力を合わせて楽しんで生きていきたい。好きが詰まった街大磯のローカルライフを土台に「暮らしとナリワイ」を交わらせながら、「個と夫婦」の良さを循環させていく。これから夫婦でその一歩を踏み出していきたいと思っています。

ライター/ももえ 編集/大原光保子

INFORMATION

にしの夫婦

にしの夫婦

西野 知佳
「自分と社会のごきげんを最大化すること」を軸に、広報・ブランディング支援を中心に活動。心地よく暮らすことと働くことのバランスを日々模索中。新卒入社した星野リゾートで接客サービス、商品企画、広報を経験後に独立し、2021年夏に大磯へ移住。その後都内のスタートアップ支援を中心とする企業で会社員としてインナーブランディング・広報を経験した後、再度独立。現在は大磯・西湘地域を中心に活動の幅を広げている。2023年夏に大磯の暮らし体験ができる小さな宿「たゆたう」をスタート予定。サウナと夫の料理が好き。

西野 聡
「料理人」と「映像クリエイター」の2つの顔を持って湘南・大磯を中心に活動。星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」にて施設の開業後、3年間料理長を経験。現在は間借りの居酒屋営業やライブなどのイベント時の出張料理を定期的に実施中。映像制作においては、大学時代に友人と自主制作でドキュメンタリーを作った経験から楽しさに目覚め、プロ養成の映像スクールに通う。料理人としての知識や経験も活かし、共感できる飲食店や生産者を中心に、作り手の思いが伝わる作品作りに取り組んでいる。ビールとHIPHOPが好き。