aiyueyoは人にも地球にもやさしい暮らしを叶えたい企業や団体と手を取り合っています。本記事では学生団体いろりとのコラボ企画をお届けします。

こんにちは、学生団体いろり(※以下「いろり」)の代表をしています、お茶の水女子大学二年の尾崎陽花です!

この世で一番愛する食べ物はかぼちゃ。あまりに好きすぎて、バイトはかぼちゃスイーツ専門店、秋にはかぼちゃの収穫に行き、普段身に付けるものはかぼちゃカラー(オレンジと緑)、そしてかぼちゃのピアスまで付けていたりするので、是非覚えてもらえると嬉しいです^^

いろりの活動理念は「全国の学生と共に日本の第一次産業を盛り上げる」こと!そのために様々なイベントを企画し、そこに一次産業に関わる活動をしている学生を集めてネットワークを作っています。

この記事では、なぜ私がこの活動に全力を注ぐのか、その理由についてお話してみたいと思います。

やりたいことは特になし。とりあえず就活に役に立ちそうなことを

私は東京や大阪など都心で生まれ育ち、近くに畑や農家の方がいない環境で育ってきました。

野菜に触れるのは唯一スーパーでの買い物でしたが、いつも同じ野菜が並んでいることが当たり前で、野菜の旬を意識することも、農業に触れることもありませんでした。

特に農業に興味があった訳ではなかったものの、とにかく食べることが好きだったことから、次第に「もっと食について学びたい」と思うように。調べていくうちに栄養学科に興味をもち、お茶の水女子大学へ進学しました。

大学といえばサークル活動ですが、私はビジネスサークルを選択。これまで勉強は頑張ってきた方だったので、一年生の頃からなんとなく良い企業に就職したいと思っていました。やりたいことが特に無かったので、とりあえず就活に役に立ちそうだという単純な理由で入ることを決めました。

実践を重視するタイプのサークルで、まずは自分で収益をあげてみようと小さなイベントを企画することに。そのイベントのテーマに「農業」を選んだんです。

農業との出会い

生まれ育った環境の中で農業に触れることは無かったのになぜ農業?ってなると思いますが、実はある経験がずっと心に残っていました。

高校二年生の時、たまたま親の知り合いの農家から半年ぐらい野菜を送ってもらっていた時期がありました。毎月箱いっぱいに届く旬の野菜たち。その中でもひときわ私を魅了した野菜がありました。そう、それが「かぼちゃ」だったんです。

それまでのかぼちゃに対するイメージは、水分が多かったり、味があまりしなかったり、繊維っぽかったり…「たまに美味しいけど、あたりはずれがあるなぁ」という感じ。ところが、送られてきたかぼちゃを食べてびっくり。断面はすごくきれいなオレンジ色で、レンチンしただけで煮物かな?と思うくらい味が濃くて甘くてほくほく。味つけをしていないのに丸々一個ペロリと食べきりました笑

新鮮さ、旬、品種、育てる人によってこんなに野菜って違うのかと驚きました。

この経験から、旬の野菜を「健康のために」ではなく「おいしいから」選ぶという感覚を知ってもらうことを目的にイベントを企画。自分と同じ学生を対象に、東京練馬区の農家「加藤トマトファーム」さんで収穫体験をさせてもらい、採れたての野菜をみんなで調理して食べるというものにしました。

(農業イベントの実際の様子)

参加してくれた学生は合計16人。集客方法がわからなかった私は、Twitter(現在のX)で興味を持ってくれそうな人を手当り次第フォローし、DMでイベントに誘うというかなり泥臭いやり方でなんとか集めました。また、収穫体験をさせてくれる農家さん探しや、農家さん直伝のレシピを聞いて回ったりなど、準備は決して楽ではありませんでした。が、それ以上にめちゃめちゃ楽しくて、本当にやってよかったと思いました。

小学生ぶりの収穫体験から純粋に「農業の楽しさ」を、そしてランダムに声をかけたことで集まった「食や農業に興味を持つ”ばらばらな”学生たちと繋がる楽しさ」を知ることができました。

初めて見つけた「これやりたい」

二年になってからもビジネスサークルで活動していましたが、もともと就活に有利そうだという理由で入ったため、気持ちが中途半端だった上に、サークル内には起業を目指している人が多く、やりたいことがなかった私は行き詰まっていました。

そんな時、たまたま出会ったのが、過去にいろりの代表を務めていた小澤さん。そこで初めていろりの存在、いろりが過去に全国の学生を200人も集めるようなイベントを運営していたこと、2012年の設立から全国の農業系サークルを繋げるネットワーク団体として活動していたものの2020年のコロナ禍で活動を終えてしまったことを知ります。

わたしが興味をもっていた「農業」は、特に学生にとって身近ではないと思っていたので、まず全国でそれだけたくさんの学生が、農業に関心を持って活動をしているということにとても驚きました。普段交わることのない、バックグラウンドも性格も考え方もばらばらだけど、同じ「農業」に興味を持つ、そんな学生たちが集まることの面白さを小規模ながら既に経験していた私にとって、過去のいろりが作っていた場は最高に楽しそうで「もう一度こんな場が作れたらな」とワクワクしました

しかし、もしいろりが今も活動していたら迷わず入っていたけど、仮に自分で一から始めるとなると話は変わってきます。残りの大学生活を全てかける覚悟が必要だからです。

大学の4年間、何をする?私は「やりたい」に全力を注ぐ

いろりの活動自体には大いに惹かれながらも、今まで「将来のためになりそうか」という基準で何かに取り組んできた私はめちゃくちゃ悩みます。

この頃の私の農業に対する興味はまだ漠然としていたし、将来農家になるかと言われると答えは絶対NO。就職に全然繋がらないのに大学生の間の大事な時間を注ぐ価値あるのかな?

大学生は学校以外で自由に使える時間が多く、受験勉強も、社会人のように生活費を稼ぐというプレッシャーもない。こんな期間ってこれまでもこの先もなかなか無いはず。だからこそ何に使うかめちゃくちゃ迷うわけです…

しかし、「ガクチカ」(主に就活の際の面接で求められる、学生時代に力をいれたこと)を作ることにこだわっていた一年生の時と比べて、私の中で考えが変わりつつありました。

私が影響を受けたのは「1人暮らしは家賃が高い」という理由から住み始めたシェアハウスで出会った外国人たち。日本以外では使えない日本語をわざわざ勉強しに、大学を休学したり卒業後の就職前に日本にやってくる彼らのことが、最初は全く理解できませんでしたが、仲良くなるうちに、彼らのように自分の好きなことや興味のあることを思いっきりやる方が面白い、充実した人生を送れるのでは?と考えるようになりました。

今まではとりあえず役に立ちそうなものだけしてきた私が、初めて見つけた本当にやりたいこと。「このチャンスを逃すわけには行かない!」と、農業に熱意を持つ学生たちの繋がりをもう一度作るために、私は残りの大学生活を全て捧げようと決めました。

(シェアハウスでのハロウィンパーティー。私はどこにいるでしょう?)

農業の現状を知る。私にできることは…?

活動再開を宣言したものの、コロナ禍に代が入れ替わり、現役の学生とのつながりが一切ない中でどうやって活動を進めればいいのか。幸い、いろりのXアカウントのデータが残っていて、引き継ぐことができました。私が知る方法は一つ。今度はランダムではなく、相互フォローになっていた各団体にDMをひたすら送りました。

3年ぶりに動き出したアカウントからの突然のメッセージに返信をくれる団体は、決して多くはありませんでしたが、それでもいくつかの団体から返信があり、わざわざZoomで話す時間を取ってくれました。

また、農林水産省やJA職員、若者と地域を繋ぐNPO法人を運営している方など過去にいろりと関わっていて、今農業界隈で活躍している社会人も繋げてもらい、ひたすら毎日違う人に私がいろりでやりたいことを伝え続けました。

ここで、農業についての知識は全然ないままに活動を始めた私は、各団体と話すうちに農業のリアルな現状を知ることになります。

肥料や資材の価格が高騰し、農家の取り分がどんどん少なくなっていること。担い手がいなくてその地域で古くから栽培されてきた伝統野菜が失われてしまうかもしれないこと、など。

私はもともと農業の楽しさから入ったので、こうした現状にショックを受けました。もっと農業について学ぶべきだと感じ、北海道や宮城、鳥取、関東圏も含めた全国の色々な場所を訪れて畑を見たり、実際に他の団体の活動に参加しに行ったりして、なるべくたくさんの一次情報に触れてみました。また講演会に参加したり、本を読んだりもしました。

(農林水産省の加藤さんから過去20年の農業の変化についてレクチャーを受けている様子)

農業の問題は想像よりもずっと複雑で、見る立場によって全く違ったり、歴史が大きく関係していたり。相手が自然だというのも本当に難しいところです。

結局自分がどうすべきか、に対しての答えは出せませんでした。ただ一つ確信をもったのは、農業界で近い未来に大きな変化が起こるということです。

農家の平均年齢が68.4歳、約7割が70歳以上である現状を見れば、10年以内にその人たちが引退し、急激に農家が減ること、そして私たちはその影響をがっつり受けるのは明らかです。つまり農業に関わるということは社会貢献でもなんでもなく、「自分事」ではないでしょうか?

その変化の後、この先の日本の農業界にとって良い方向に行くのか、悪い方向に行くのか。それは次にメインの世代になる農業者の方々、そしてこれから農業に関わっていく私たち世代にかかっているのではないかと思うんです。これから私たちがやるべきことは大きく二つあると私は思います。

一つは、何十年も前からずっとその地域で良いものを作り続けてきてくれた人たちの想いを受け継ぎ、次世代に残していくこと。担い手がおらず、作り手の方々が農業界から退出されてしまう前に、学ぶべきことはたくさんあります。

二つ目は、今農業が抱える様々な課題を解決し、持続可能で強い農業を目指すことです。

課題解決は一人では絶対にできません。異なる立場、異なる経験を持つ人が集まり、農業を「自分事」と捉え、それぞれが自分にできることを行動に移していくことで、少しづつ良くなっていくと思います。その集まる場、繋がりをいろりで作っていきたい。

また、ずっと前から問題となってきたことに対しては新しい視点が必要な時もあります。そのためにいまは農業に興味を持っていない人も巻き込んでいきたいと考えています。

農業の課題も魅力も楽しさも、いま興味がある人たち同士で共有し、深める。そこから溢れるように周りに伝播させていき、社会を動かす力としていく。これがいろりとして私にできること、やりたいことだと気づいたのです。

「農業に関わる」を将来の選択肢に

活動を開始してから、いろりではいくつかのイベントを企画してきました。その一つが、12/1に第一回を実施し、今後継続的に開催していきたいと考えている「Future Options」。ちょうど今の私のように、農業に興味はあるけどそれが将来と結びついていないという学生向けに企画したイベントです。

(「Future Options」の様子。ゲスト東京青果の織茂さんの話に爆笑)

学生のうちはお金のことは考えずただ「好き」に夢中になれるけど、社会に出たらそうはいかない。そんな時に農業への関わり方が「農家になるか否か」という狭いイメージで、結果的に全然違う仕事に就いてしまうのはもったいない。「農業」って手段ではないので、自分が得意なことを活かして、どんな関わり方でもできると思うんです。

実際にその分野で働く社会人の方を呼んで、その仕事を選んだきっかけや仕事に対する想いなども合わせて聞くことで、仕事として農業に関わることがよりリアルな選択肢になればいいなと思っています。

私が大好きな「農業」。その魅力と変化を起こしていかなければいけない部分の両方を、全国の学生と共有し、学び、考え、そしてどんどん行動に移していきたい。

そのために私は、いろりの活動に全力を注ぎ続けます。

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理念は「全国の学生と共に日本の第一次産業を盛り上げる」。様々なイベントを企画し、一次産業に関心を持つ学生のネットワークを全国的に作っています。

 

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